第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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ったのか……」
それをやったのが優輝なのだと、遠目でもクロノは理解出来た。
それで、ようやく戦闘が終わったと思い―――
「え……?」
―――気を抜いた瞬間、大量の神と“天使”が出現した。
「増、援……?」
「っ、イリスの奴……やりやがった!」
「この世界に散らばっていた神や“天使”が全てここに召喚されました!おそらく、イリスが置き土産に……!」
エルナとソレラが何が起きたのか簡潔に説明する。
気を抜いた瞬間にこれだ。絶望とまではいかないが、気分の落差が激しい。
「私達で足止めします。一旦合流して体勢を立て直してください!」
「早く主様達の所へ。これを退ければ、今度こそ終わりですよ」
代わりに、ミエラとルフィナが前に出た。
数えるのも億劫な数相手に、二人は悠然と向き合う。
「けど……!」
「お姉ちゃん、今は……!」
「っ……わかった。ほら、あんた達も行くよ!!」
ミエラとルフィナが敵陣に突っ込むと同時に、全員が合流に動き出す。
殿にエルナとソレラが就き、確実にまずは合流に持っていった。
『誰か、誰か聞こえる!?そっちに大量の敵がいるみたいだけど……!?』
「『鈴さん!?そっちは大丈夫なの!?』」
ちょうど合流する時、街の方にいる鈴から伝心が繋がる。
すぐに司が対応するが、お互い相手の状況が心配だったようだ。
『司!?こっちはとこよと紫陽のおかげで何とかなったわ。でも、その二人は一度幽世に戻ってしまったの。それと、一般の人は皆幽世に避難しているわ』
「『そうなんだ……。こっちはイリスを撃退したよ。でも、置き土産にこの世界に来た全ての神と“天使”を集めたみたい』」
『通りで……。大丈夫なの?』
「『わからないよ。でも、負けるつもりはない。ここまで来たんだから』」
力強くそう言う司。
伝心のためか、その決意が鈴にも強く伝わる。
『……わかったわ。こっちも、外側から出来る事をやってみるわ。……幸いと言うべきか、私達の方は眼中にないみたいだから』
「『了解』」
伝心を終わらせ、司は改めて敵に向き直る。
戦闘は既に始まっている。
敵の神や“天使”は入り乱れるように。
優輝達は少数で固まるか、単身で駆け抜けるように立ち回る。
「『単独で勝てないなら出来るだけ引き付けなさい!その間に、倒せる人で数を減らす!……出来ないなんて言わせないわよ。ここまで来たんだから、成し遂げなさい!』」
椿が言霊を用いて、伝心で指示を出す。
それだけじゃない。その強い“意志”が、司や祈梨の“天巫女の力”を通じて皆の力を後押しし
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