第8章:拓かれる可能性
第254話「撃退」
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アリシア達からすれば、敵なはずの“天使”が味方してきたのだ。
困惑しても仕方なかった。
「そいつらは人間二人を依り代にしていた“天使”だ。だから、敵じゃないよ!」
「なのはと奏に宿ってた……?」
「その通りです」
だからこそ、エルナが簡潔に敵じゃない事を伝える。
それでアリシアも理解出来たのか、一応構えを解いた。
「まずは残党を片付けましょう。ルフィナ!」
「ええ、分かっています……!」
ルフィナが理力の矢を放つ。
それらは、サーラとユーリが相手していた“天使”に容赦なく突き刺さった。
サーラとユーリは相手が誰であれ援護してくると考えていたので、例えルフィナの援護でも驚く事なく、“天使”へと追撃を繰り出す。
「ふっ!」
さらに、ルフィナが数発だけ特殊な矢を混ぜる。
その矢を基点に、ミエラが転移。
“天使”の背後を突き、理力の剣で切り裂いた。
「なっ……!?」
今まではクロノやアリシアなどが不意打ちしても対処してきた“天使”。
しかし、イリスの“闇”が相殺され、今は“性質”の影響も薄れている。
さらには、相手はエルナやソレラ以上に戦闘に優れた“天使”二人だ。
否、正確には如何なる逆境をも覆す“可能性”を秘めた“天使”が相手だ。
単純な戦闘力も高いため、奇襲を受けた“天使”はひとたまりもなかった。
「がぁっ!?」
反撃しようと、敵の“天使”も行動する。
だが、ルフィナはカウンターで圧縮した理力をぶつけ、ミエラに至っては、真正面から攻撃を弾いて理力の剣で切り裂いて返り討ちにした。
「……圧倒的だな」
「何と言うか……綺麗な勝ち方だよね。私達みたいに、攻撃を“意志”で耐え抜くんじゃなくて、単純に攻撃を潜り抜けて倒してる……」
それは、まるで従来の戦闘で行われる、達人などが繰り出す動きだった。
流れる水のように、次々と攻撃をいなし、反撃で倒していく。
理力の障壁も、まるで紙切れのように切り裂いたり、そもそも阻まれる前に攻撃を命中させて対処していた。
「これでひとまず、と言った所ですね」
「周辺にもイリスと主様達以外の理力は感じられませんしね」
気が付けば、残っていた“天使”達は全滅していた。
未だに警戒や緊張が続くクロノ達を余所に、ミエラとルフィナは冷静に周囲の状況を把握し、安全を確認した。
「どうやら、主も勝ったようですね」
「当然ですよ。イリスの分霊が相手なら、今の私達でも勝てるのですから」
見れば、優輝達がいる場所に何度も出現していた“闇”が消えていた。
代わりに、金色の燐光が残滓として残っていた。
「……優輝も元に戻
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