とある自由惑星同盟転生者の話 その2
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ら収束へと向かう一瞬にその動きを止めてしまう――つまり、行動の限界点に達したわけだ。
そして、それが解けようとした刹那――まるで待ち構えていたかの如く、混乱の渦中から身を引いていた敵の2個艦隊の斉射をくらった。
「だ、第十一艦隊旗艦エピメテウス撃沈!!」
一瞬にして指揮官を失った第十一艦隊は烏合の衆でしかなく、壊滅の危機にある。
それにしても、ホーランドがバカやって第十一艦隊がボコられるのは原作通りだが、なんでラインハルト以外に見切ってるやつがいるんだ?
「敵軍、全面攻勢に出てきます!」
「第五、第十艦隊と連携して敵の攻撃を凌ぐ。撃て!」
帝国軍は隊形を崩し、一旦立ち竦むように足を止めたが、再び前進してこちらを追い詰めにかかる。
だが、こちらの3個艦隊が巧妙に連携し、第十一艦隊の残存兵力を庇いながら後退する。
「閣下、敵の先端部をピンポイントで潰していきましょう。敵の勢いを削ぐのです」
「なるほど、名案だな。全艦、敵の先端部に砲火を集中せよ。敵を近づけさせるな」
敵は数度に渡り突進してきたが、さすがはビュコック、ウランフ、ボロディンと同盟でも一流の指揮官たちだ。
この3人は敵が突進してくる度、柔軟で崩れを見せない防御網で食い止め、致命的な損傷を受けぬまま敵の追撃を断念させた。
・・・・・
同盟軍は艦列を立て直し、本国へと帰還中だ。
第十一艦隊は完全に敗残の列で、再建の苦労が思いやられる。
ホーランドは本来なら二階級特進で元帥になるところだが、処罰と相殺ということになるだろう。
つまり、戦死によって処罰を免れたわけだ。
命あってのモノダネと言うが、どちらが本人にとって幸せなのやら。
「ホーランドも英雄に成り損ねたな」
「英雄ですか……そう言えば私の同期で英雄について面白いことを言ったやつがいます」
「ほう」
「『英雄など酒場に行けばいくらでもいる。その反対に歯医者の治療台には一人もいない。ま、その程度のものだろう』と」
「ふっ、なるほど。確かに面白い意見だな」
そう言って笑うボロディン提督。
今回の戦いは終わったが、また新しい戦いが始まるだろう。
ハイネセンに着いたら、それまではのんびりと過ごしたいものだ。
* * *
同盟軍4個艦隊50000隻はイゼルローン要塞へ向け発進した。
対する帝国軍も4個艦隊55000隻でイゼルローン要塞より出撃する。
両軍はティアマト星域で対峙し、第四次ティアマト会戦が幕を開けた。
開始早々、敵左翼のラインハルト艦隊が前進し出すが、中央も右翼も呼応せず結果としてラインハルト艦隊だけが突出する形となった。
このままでは同盟軍に袋叩きに会うのは目に見えている。
だが、
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