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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アッサラーム〜イシス
砂漠の町
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……そっか。じゃ、ありがたくもらっとくぜ」
 そう言うと、ナギはわしわしとルカの頭を荒っぽく撫でた。こうしてみると、二人とも実の兄弟のように見える。
「こいつの弟にはもったいないくらい、気が利いてるな」
 ユウリはユウリで、これが最高の褒め言葉なのだろう。私を見るなりそう言うと、感心しながらルカに視線を移した。
「ところで皆さん、今から出掛けるんですか?」
「ああ。これから城に行って女王に話を聞いてくる。本当は俺一人で行くつもりだったんだがな」
「そうなんですか!   ならその間おれが町へ行って、ピラミッドの情報を聞いてみますよ。もうこの町でのおれの仕事は済みましたんで!」
「そうか。それは助かる……」
 そう言うなり、ルカはユウリの返事も聞かぬまま、電光石火のごとく再び外に飛び出した。彼のこういうところは相変わらず直らないのが玉に瑕だ。
「……と、とりあえず、お城に行こうか。多分ルカなら大丈夫だよ」
 この町に詳しいルカならむしろ任せてしまった方がいいだろう。気を取り直し、私たちはこの町を統べる女王様に会うため、宿を出ることにした。

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