第1部
アッサラーム〜イシス
砂漠の町
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
……そっか。じゃ、ありがたくもらっとくぜ」
そう言うと、ナギはわしわしとルカの頭を荒っぽく撫でた。こうしてみると、二人とも実の兄弟のように見える。
「こいつの弟にはもったいないくらい、気が利いてるな」
ユウリはユウリで、これが最高の褒め言葉なのだろう。私を見るなりそう言うと、感心しながらルカに視線を移した。
「ところで皆さん、今から出掛けるんですか?」
「ああ。これから城に行って女王に話を聞いてくる。本当は俺一人で行くつもりだったんだがな」
「そうなんですか! ならその間おれが町へ行って、ピラミッドの情報を聞いてみますよ。もうこの町でのおれの仕事は済みましたんで!」
「そうか。それは助かる……」
そう言うなり、ルカはユウリの返事も聞かぬまま、電光石火のごとく再び外に飛び出した。彼のこういうところは相変わらず直らないのが玉に瑕だ。
「……と、とりあえず、お城に行こうか。多分ルカなら大丈夫だよ」
この町に詳しいルカならむしろ任せてしまった方がいいだろう。気を取り直し、私たちはこの町を統べる女王様に会うため、宿を出ることにした。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ