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崩壊した世界で刑部姫とこの先生きのこるにはどうしたらいいですか?
ほんへ
コラボ章-様々なサーヴァントとマスター…そして性癖。-
無事生き残ったから宴会でもする件
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「二つ目に偽名。あなたはbarで働いている際自らを"クズシロ マキ"と名乗った。これは本名がバレては他人を巻き込みかねないと思ったからだ。」

葛城財団の情報網は侮れない。
例えばどんなサーヴァントがどこにいるかなど、彼らにとってかかればすぐに分かる。
つまり葛城舞を財団が探しているならば、あっという間にバレるだろう。
だから彼女は名前を偽り、身を隠した。

「違いますか?」
「うん、そうだよ。」

舞さん本人の口から真実が語られる。

「僕は葛城財団の代表、あいつを一人でも殺そうと思ってた。でも、それと同時にはぐれたお栄ちゃんも探してた。」
「…。」
「探してるときに葛城財団から妨害されるのもまずいからね。だから"クズシロ マキ"と名乗りながら各地を回り、この崩壊世界で"僕のお栄ちゃん"を探してた。」
「…。」

舞さんは、代表を殺そうと計画してた。
何かやはり因縁めいたものがあるのだろう。

「それと探偵さん。」
「はい?」
「僕が吉原でそういう仕事してたって噂、ホントだよ。」
「!?」

ある意味ここまで来てはそんなに気にしていない真実を打ち明けられ思わずズッコケそうになる。

「生きるために必死だったからさ。出来ることはなんだってやったよ。失望した?」
「い、今はそういうのいいですから!!」

ともかく話を元に戻す。

「それとですね…」
「名字…かな?」
「…。」

言いたいことを先に言われてしまった。

「ええ、だけど葛城なんて名字、この日本に腐るほどいる。名字が同じだからって舞さんが財団代表と身内の関係と決めつけるのは証拠に欠けると思いまして。でも…。」
「でも…?」
「だったら…わざわざ名字まで偽らないかなと。」

クズシロ。
それは葛城のそれぞれの読みを変えたものだろう。
そんな単純なものだが、彼女が名字を偽るのにはちゃんとした理由があった。

「うん。だって"葛城"って名字、大嫌いだから。」
「…。」
「それと探偵さん。」
「はい?」
「僕が財団代表と身内かもしれないって言いましたよね?」
「まぁ…はい。」
「…大当たり。」

ニッと舞さんが微笑み、立ち上がる。

「僕には兄弟がいた。僕とは似ても似つかない。性格もまるで正反対の兄弟が。」
「きょ、きょうだいって…まさか…!」
「そう、もう一秒たりともあいつのことを"兄"だなんて思いたくもないけど…言うね。」

月を背に舞さんは振り向き、言った。

「葛城財団代表の葛城 恋、そいつは僕と血の繋がった正真正銘の兄弟だよ。」

そのときの舞さんはいつにもましてきれいで、
そして、悲しくも見えた。






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