第23話 現ならざる地
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
異空間『黄泉比良坂』へと向かう決意をする一行。そんな皆の心を確かめ合った後、それを実行する為に、士郎は自分の肉体を変化させるのであった。
一瞬にして、彼の白い髪は目映い金髪となったのである。それは、異空間たるかの地へ向かう為に大邪の力を行使する為であったのだが……。
その様はどうにも既視感というものがあるのであり、それを思わず姫子はツッコミを入れてしまう。
「うん、何だか今の士郎君。まるで『スーパー』な戦闘民族だね……」
「また……別次元な話を……」
そんなツッコミには士郎も頭を抱えるしかなかったのであった。そのような例えは見も蓋もないというものなのだから。
しかし、一度火の着いた姫子の別次元語りは留まる所を知らなかったのであった。
「その内、挙句の果てに金髪から赤髪になって、更にそこから青髪になったりしないよね? ちなみに、例えそれが原作者自らが作った正史でも、非公認になった猿人間の方の話の方が私は好きなんだよねぇ〜。ごく少数の意見だけど」
「あ、分かるわ姫子。私も無印の時のように冒険中心になっていたのは良かったわね」
「あ、千影ちゃんも私の同志って事だね。この意見の人、少ないから味方がいると嬉しいよ♪」
と、やんややんやと別次元の話に華を咲かせる乙女二人であった。
無論、そんなやり取りには士郎は呆れてしまうのであり。
「二人とも……、そういう話は主に男子が好むものだろう?」
そう正論で以ってこの場を嗜めようとした二人。しかし、どうやらその言い方が良くなかったようであった。
「何言ってるの士郎君。これは女の子だって楽しんで見られたものだからね♪ ……泉美ちゃんもそう思うでしょう?」
突如としてこれから別行動となる『お留守番』の泉美にまで話題を振る姫子。だが、当の泉美も『同志』だったりするのであった。
「姫子の言う通りね。今の士郎君の発言は失言ね」
「失言……ってね」
やたらとムキになる女子三人に、士郎は少々着いていけない心持ちとなっていたが、ここで気持ちを改める。
そもそもこれは『黄泉比良坂』へ向かう為の準備なのだ。ここで穏やかな心を持ちながら激しい怒りで生まれた戦士の事で盛り上がっている場合ではないのだ。
「みんな……、本題入るよ?」
「「「あ、ごめん」」」
その士郎の現実に引き戻す一言に、案外素直に従う女子三人であった。
そして、件の異空間へ向かう為の力を行使すべく、士郎は意識を集中し始めた。すると、彼の手にはおびただしい電気のエネルギーが集まってくるのであった。
それを見ながら士郎は、「これでいける」と踏み、ここから一気に畳み掛ける。
そこからは一瞬であった。士郎はその電流の篭った両手を掲げると、そこにその力で練り上げたエネルギーの剣が握られていたのだから。
こうなれ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ