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神機楼戦記オクトメディウム
第23話 現ならざる地
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を打つのであった。ここが紛れもなく目的の場所である事を確認したのだ。
 そして、試してみても泉美の予想通り、ここは携帯電話の圏外であるのだった。現実世界でも山奥等でなるのだから、このような異世界では当然の帰結だと言えよう。
「つまり、これで泉美ちゃん達と連絡を取る事は出来ないって事だよね」
 そう姫子が言うのも無理はないだろう。現代人は、もしもの時の為に携帯電話にその身を護ってもらっている状態なのだから。それが出来ないというのは、何とも心細い事だろうか。
 だが、士郎はその事実に臆さずに言い切るのであった。
「だからと言って、それが引き返す理由にはならないだろう? 俺達はそういう中での戦いをする覚悟でこの場所に来たんだからな」
「そうだね、士郎君」
「あなたの言う通りね」
 その士郎のもっともな意見に、巫女二人も一切反論する事なく同意するに至るのだった。
 そして、意見が同じになった三人は、その城の中へと入り込んでいくのであった。
 だが、その中はがらんどうとしていたのである。当然だろう、この場所を居城としていた者は、一人、また一人と次々に彼らの手によって解放されていったのだから。
「でも、メイドさんとかいてもいい気もするんだけどね〜?」
 そう言うのは姫子であった。彼女の自宅がそのような場所であるが故の意見であるのだった。
 それに対して、士郎は少々反論するのであった。
「いや、大邪とは人ならざる邪神。だから、人間の感覚で判断するのは危険だと思うぞ」
「そう……かも知れないね」
 そんな慎重な士郎の意見に姫子は同意し、意識を再び集中した。
 そう、この戦いは人間との戦いではないのだ。だから、人間の常識を定説だと思って立ち向かうのは無謀もいい所だろうと。
「それに、ここで間違いはないからな?」
 そう言って士郎は泉美にインストールしてもらった発信機の受信アプリを起動させる。すると、この城に入ってその反応が近くなっているのである。
 後は、その反応を追って一同は向かっていくだけであるのだった。

◇ ◇ ◇

 そこは、大邪がいつも集っていた大きなテーブルのある部屋ではなかった。
 広々とした空間に、その奥に玉座が一つ。そう、ファンタジー作品であるような王の間とでもいうべき場所がそこであったのである。
 その玉座の傍らには既に顔の割れたシスター・ミヤコがいる。そして、玉座という大それた産物の上に座る者はというと……。
 その姿は完全にフード付きのローブに包まれており、その素性を垣間見る事は出来なかったのであった。
 そんな得体の知れない者に対して、ミヤコは恍惚とした表情の下に言葉を紡いでいく。
「もうすぐですよ、『翼』様。じきに士郎が大邪となってこの場に来ます」
「……そうか」
 ミヤコに言われたそ
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