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レーヴァティン
第百六十二話 普通の難しさその九

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「俺は体育会系は嫌いだ」
「そやったんか」
「そうだ、嫌いだ」
 こう耕平に話した。
「上下関係に厳しく他人には言うがだ」
「それでもかいな」
「自分には甘い、頭は悪く上に媚びるばかりで嫌なことは下の者にばかりさせる」
「まあそういうの多いな」
「体育会系はそうだな、だからだ」
「体育会系は嫌いか」
「そうだ、特にその中で調子に乗っている奴はな」
 特にというのだ。
「嫌いだ」
「そうなんか」
「だからだ」
「そうはならんか」
「その様に心掛けている」
「体育会系嫌いやとはな」
「中学で見てからだ」
「嫌いになったんか」
「そうなった、ある顧問を見てな」
「そいつが体育会系やったか」
「まさにそうしたな」
 今言った通りのというのだ。
「それからだ」
「自分はその顧問見てか」
「ああはなるまいと思ってだ」
「今もやな」
「体育会系は嫌いでだ」
 それでというのだ。
「そうならない様にしている」
「そうやったんやな」
「俺は一旦嫌いになるとな」
「とことん嫌う方やろ」
「それが止まらなくなる」
 嫌う相手を嫌うことがというのだ。
「幸い表情には出ないが」
「言葉に出るんやな」
「そうなってだ」
 それでというのだ。
「反面教師にもする」
「それでその度合いもか」
「かなりのものになっていてな」
「絶対にならん」
「そうもなる様にだ」
 まさにというのだ。
「思いな」
「今もやな」
「そうしていてな、体育会系もな」
「嫌いでやな」
「ならない様にしている」
「そういうことやねんな」
「俺が思う体育会系は野蛮で理不尽で馬鹿で不潔だ」
 マイナス要素のオンパレードだった、英雄がここで出した言葉は。
「そこに見るべきものはだ」
「ないんか」
「反面教師の要素だけだ」
 やはり全否定だった。
「それだけだ」
「他は何もないんやな」
「その教師からそう思ってだ」
 それでというのだ。
「今に至る」
「そんなに酷い教師か」
「生徒に暴力を振るうことが普通だった」
「そうした教師は普通クビになりませんか」
 峰夫は英雄の話にいぶかしむ顔で突っ込みを入れた。
「流石に」
「そうなるな」
「はい、どう考えましても」
「学校によるだろうが」
 こう前置きしてだった、英雄は話した。彼の口調から今話している言葉が嘘偽りでないことは聞いている者なら誰もがわかることだった。
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