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Fate/WizarDragonknight
”Liar mask”
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 同時に、千鳥と村雨がぶつかる。ほとんど同じタイミングで繰り出された、互いの技。角度も、速さも、全く同じ。
 結果を分かつのは、その重さだった。

「あ……」

 その手を離れた千鳥が、キリキリと宙を舞う。深々と可奈美の背後に突き刺さった千鳥。それは、可奈美の敗北と直結していた。

「葬る!」
「!」

 容赦なく可奈美を狙う村雨。その時、可奈美は笑む。

「アカメちゃん。その剣は見えてる!」

 傷一つ付けば即死。そんな刀を、可奈美は真剣白刃取りで受け止めた。

「何?」
「アカメちゃん!」

 驚くアカメへ、可奈美は言い放った。

「そんな魂のこもっていない剣じゃ、何も斬れない!」

 その言葉とともに、可奈美はアカメの手を折り、村雨から引き離す。そのまま村雨を反転させ、自らの手に加える。
 すると、可奈美の全身に麻痺の毒が流れる感覚が襲い来る。だが、歯を食いしばりながらそれに耐え、村雨を振るう。

「でりゃあああああああああああああ!」

 呪われた刀がアカメを斬る。
 右肩から左腰にかけて、刃物が人体を斬り裂く。
 肉を傷つける感覚と、足場さえままならない感覚が可奈美を襲う。力が抜け、村雨が音を立てて地面に落ちた。
 フラフラとアカメの背後に体が運ばれ、そのまま後方へ倒れこむ。だが、同時にアカメも倒れようとしたため、背中合わせで座る形となった。

「……魂のこもっていない剣か……」

 そう、アカメが呟いた。消え入りそうな声は、殺し屋の迫力が一切なかった。

「アカメちゃん……」
「……もう、分かる。私は終わりだ」

 村雨の傷は浅い。致命傷にはならないものだった。つまり、彼女のその言葉は、村雨の持つその呪いが起因することだと理解できた。

「二度目の生を終わらせるのが、私自身の村雨か……」
「アカメちゃん……」
「私の剣より、お前の剣が上回っていた。それだけの話だ」
「……違うよ」

 可奈美は静かに首を振った。

「試合の剣と殺しの剣。だけど、もしこれが試合だったら、千鳥が私の手を離れた時点で私の負けだったよ。私がたまたま白刃取りできただけで……言ってみれば、試合に勝って勝負に負けたってところかな」
「面白い言い回しだな」

 可奈美の肩にかかる重さが増した。アカメがすでに、力さえも残っていないということだ。
 可奈美は続ける。

「それに、アカメちゃんは令呪で体を操られていたでしょ? さっき戦った時より、明らかに剣のキレが悪かったよ。だから、私が勝てたのは、ただのまぐれ」
「謙遜するな。ここに突入してからの疲労は、見てわかる」
「あはは……」
「……私がいた世界では、剣は殺しの道具でしかなかったな。純粋な勝ち負けを決めるなど
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