暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第253話「再臨」
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逃げる事も出来ないと思え」

「くっ……!」

 理力の棘で四肢を固定されるイリス。
 ご丁寧に、司の転移封じを模倣した理力の術式で転移も封じた。
 これで、イリスは逃げる事が出来ない。

「貴方はまだ以前よりかなり弱いはず……なのに、なぜ私をこうも……!」

「圧倒出来るか、か?なに、単に導王流と相性がいいだけだ。……後は、“可能性”を掴み取っているのと、()が良いって所だ」

 そう言いつつ、優輝は理力を集束させる。
 確実にイリスを倒すため、普通は必要ないはずの“溜め”を行っているのだ。

「……同じ私の癖に、とことん邪魔を……!」

「おかげでお前の“領域”による影響がない。……となれば、直接戦闘において有利なのは僕の方だ。……こうなるのは、必然って訳だ!!」

   ―――“希望となれ、極光よ(フォス・エルピス)

 金色の極光が、イリスを呑み込む。
 耐えるためにイリスも“闇”を放出したのだろう。
 触手がうねるように、極光の中で“闇”が蠢く。
 だが、それごと優輝の極光が消し去っていった。

「こう、なったら……!!」

「む……!」

 イリスを中心に、理力が魔法陣となって広がった。
 直後、イリスは極光に呑まれて消えていった。











「最後のは……」

 極光が収まった時には、イリスは消えていた。

「倒した、の?」

「“領域”の気配がない。確実に消し去った」

 緋雪の言葉に対する返答に、皆はふと気づく。
 “領域”は消し去れるものではなかったはず、と。

「所詮、()()だ。復活したばかりの僕でも圧倒出来る程度の、な」

「分、霊……?」

「……そういえば、祈梨もやっていたわね……。やはり、“神”とあるだけあって、分霊が可能……つまり……」

「イリスは、まだ健在よ」

 倒したはずのイリスは、ただの分霊だったのだ。
 椿とそれに続けられた優奈の言葉で、ほぼ全員が警戒を強める。

「この世界にはいない。おそらく、神界のどこかにいるんだろう」

「イリスも万が一負ける事を考えていた。だから分霊だけこの世界に来たのよ」

「……じゃあ、一旦は安心できるって事……?」

 目下の最大脅威であったイリスは退けた。
 残党の神も、ミエラとルフィナが援軍に行ったため、無事に勝てるだろう。
 つまり、一時的に脅威は去った―――

「とは、言えないな」

 ―――訳ではない。

「え……?」

「最後に、イリスは置き土産をしていった。それの対処をして、ようやく一息がつけると見た方がいいだろう」

「置き土産……」

 あの時、消し去る直前の魔法
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