暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第253話「再臨」
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ターで返しつつ、創造魔法で自分に攻撃する事で、“攻撃の勢いを利用したカウンター”を自分から起こしていた。
 さらに無意識の隙を合間合間に突く事で、決してイリスに対処されないように立ち回り、一方的に攻撃を加え続けていたのだ。

「……俺達が束になっても勝てなかった相手に……」

「……本来なら、今の優輝でもあそこまで圧倒出来ないわ。良くて互角……かしら?それなのに圧倒出来るのは……」

「さっきのもう一人のイリス、だね?」

「ええ」

 帝の呟きに優奈が答え、司がその言葉を先取りする。
 そう。今優輝がイリスを圧倒出来ているのは、もう一人のイリスのおかげだ。
 あの時、イリスは世界中の“可能性”を拓いた。
 同時に、イリスによる“闇”の侵蝕を相殺したのだ。
 結果、動きや力を阻害される事なく、優輝は立ち回れていた。

「今なら、私や帝、それと祈梨辺りでも物理的になら勝てるわ」

「そのようですね。力の衰えていた世界の“領域”も元に戻っています。転移も阻害されなくなっているようですし、いくらでもやりようはあります」

 祈梨も同感だったのか、優奈の言葉に付け足す。

「ぅ、ううん……」

 すると、その時なのはが目を覚ます。
 奏と違い、体をそのまま使われていたので、今の今まで気絶していたのだ。

「なのは!」

「……あれ?お父さん……?」

 目を覚ましたなのはは、目の前に両親がいる事に困惑する。

「どうしてここに……」

「母さんを追って来たんだ」

「お母さんが……?っ……!」

 ズキリと頭が痛み、なのはは頭を押さえる。
 直後、ルフィナの今まで見てきた記憶が流れ込んできた。
 同時に、なぜ桃子がここに来たの理由と、それを理解するための知識も。

「大丈夫か?」

「……うん」

 なのはは視線を優輝とイリスに向ける。
 明らかに規格外同士の戦い。
 それを、なのははちゃんと“見て”いた。

「か、ふっ……!?」

 戦況が、さらに動く。
 イリスの腹に優輝の拳がめり込み、勢いよく吹き飛んでいった。

「取った!?」

 思わず緋雪がそう叫んだ瞬間、優輝は追撃を繰り出していた。
 吹き飛ぶイリスの座標に、突如理力が炸裂したのだ。
 それは、イリスも“闇”でやっていた“過程のない攻撃”だ。
 予備動作も、対象に向かって飛ぶ事もない。
 ただその場に出現する攻撃。故に回避は困難を極める。

「っづ……!」

「逃がさん!」

 イリスが転移で逃げようとする。
 しかし、転移先を知っていたかのように、優輝は攻撃を命中させた。

「どこへ行くか分からなくとも、“可能性”を絞ればお前から当たってくれる。今のお前なら、
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