第43節「遥か彼方、星が音楽となった…かの日」
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を見捨ててはくれないらしい。
この場に居る全員が、ネフィリムと共にバビロニアの宝物庫へと吸い込まれていくことを選んでいた。
「英雄でないわたしに、世界なんて守れやしない。……でも、わたしたち──」
「ああ。俺達は、一人じゃないんだ……ッ!」
その言葉に、私は自然と微笑んでしまう。
そうね、一人じゃない。なら私は……もう何も怖くないッ!
そして、装者達とネフィリムを吸い込んだゲートは揺らぎ、静かに閉じていく。
「響いいいいい……ッ!」
「衝撃に備えてッ!」
職員全員が集まったネオ・ノーチラスの艦橋が、船体から分離。
パラシュートを展開しながら海面へと落下していく。
そして同じ頃、月の周辺を漂うフロンティアの制御室……。
「フォニックゲイン、照射継続……がはッ!」
吐き出した血で、コンソールが赤く濡れる。
だが、もう全ての工程は完了していた。
「はぁ、はぁ……月遺跡、バラルの呪詛、管制装置『アルテミス』の再起動を確認──月軌道、アジャスト開始……ッ!」
モニターに映る地球を見上げ、ナスターシャ教授は満足そうに呟く。
「……星が……音楽となって……──」
そして、最期まで子供達を想っていた一人の老科学者は、娘達が奏でる最後の音楽を聴きながら事切れた。
ff
「なんて大量のノイズ……ッ!」
次元間隔壁を抜けた先に広がる、バビロニアの宝物庫。そこは、無限とも言える程の広さを備えた武器格納庫にしてノイズを生み出し続けるプラントだった。
これまで散々見てきた小型の個体から、見るだけでも嫌になる巨大な個体まで、格納されているノイズの数は計り知れない。
「さんざんこの杖が呼び出してきた、奴らの住処だからな」
「フィーネが言ってた通り、隔壁が開きっぱなしだとしたら……迷惑極まりねぇなッ!」
「つまり狩り放題ってわけか。おもしれぇッ!」
「切り払うぞッ!」
「翔くん、純くん、サポートよろしくッ!」
「任せろッ! 正真正銘、これが最後だッ!」
そして翔はもう一度、天詔琴に弓を傾けた。
「お願い 聞かせて 僕はここにいるから 生まれたままの感情を 隠さないで──」
響き鳴りだす、新たな音。
調べを歌い、奏でられゆく新たな唄に乗せて、聖なる戦乙女達は各々の武器を抜いた。
「うおおおおおッ! いっけえええええッ!」
〈我流・超級撃槍烈破〉
響は右腕のギアを槍状に変形させ、加速。
ノイズの群れに突貫しながら真っ直ぐに突き進んでいく。
「はあああああッ!」
〈断空ノ煌刃〉
翼は両脚のブレードを巨大化。
構えた二振りと共に、巨大なノイズを微塵に斬り捨てる
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