第43節「遥か彼方、星が音楽となった…かの日」
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ネフィリムへと吸い込まれていく。
「「ああああ……ッ!?」」
悶絶する二人。
ツェルトはその光景に、ネフィリムの特性を思い出す。
「聖遺物どころか、そのエネルギーまでも喰らっているのかッ!?」
「臨界に達したら、地上は──」
「蒸発するぞッ!」
翼と響が接近しようとしたその時、二人の間をクリスが駆け抜ける。
「バビロニア、フルオープンだああッ!!」
クリスが取り出したのは、ウェルから回収したソロモンの杖。
ネフィリムの背後に、バビロニアの宝物庫へのゲートが現れた。
「バビロニアの宝物庫をッ!?」
「エクスドライブの出力でソロモンの杖を機能拡張したのかッ!?」
「くうううううっ!!」
「ゲートの向こう、バビロニアの宝物庫にネフィリムを格納できれば……ッ!」
クリスはソロモンの杖を構え、ゲートの拡大を続ける。
それは、ヒトだけを殺す力を起動させてしまった消せない過去への、彼女なりの贖罪だった。
「人を殺すだけじゃないって──やってみせろよッ! ソロモンッ!!」
そして、遂にネフィリム・ノヴァの巨体を押し込めるのに充分な大きさのゲートが開き始める。
「──これならッ!」
奏が確信した、その時だった。
これが世界の法則だと言わんばかりに、ネフィリムが動き出す。
「避けろ雪音ッ!」
翼が向かうが間に合わず、ネフィリムの剛腕はクリスを拭き飛ばした。
「──ぐあッ、杖が……ッ!」
弾き飛ばされるソロモンの杖。
それを掴み、再びネフィリムに向けたのはマリアだった。
「わたしがッ! 明日をおおおぉぉッ!」
ゲートが完全に開き、ネフィリムは真っ逆さまに落ちていく。
生きた飢餓衝動とはいえ、自分が異世界の彼方へと幽閉されようとしているのが分かるのだろう。ネフィリムは宝物子の鍵を持つマリアへと手を伸ばす。
避けるマリア。
しかし、ネフィリムは指先から、炎熱化した触手を伸ばし、マリアを絡め捕る。
「ぐ……ッ!」
「「マリアッ!」
「マリィッ!」
ネフィリムはマリアを捕まえたまま、ゲートへと落下していく。
このままでは道連れだ。
「クソッ! Model-GEEDじゃ届かないッ! どうすれば俺は……ッ!」
ツェルトの呟きに、翔は何かを思いついたようにハッとなる。
「純、もう一度手伝ってくれるな?」
「勿論だ。今度は何をするんだ?」
「俺達のフォニックゲインを、ツェルトのRN式に分配するッ!」
「了解、ぶっつけ本番だけど、やるしかないなッ!」
「お前ら、何を……?」
困惑するツェルトの両脇に立ち、翔と純がそれぞれのアームドギアを構える。
「もう一度、奇跡を起こすんだよッ!」
「俺達の力、し
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