暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百六十一話 新兵器その十
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「そのことだ」
「起きた世界でかしら」
「こちらの世界では海の魔神を倒し浮島も治めることだが」 
 起きた世界ではというのだ。
「そうしていきたい」
「そうなのね」
「普通に暮らしてな」
「生きてなのね」
「死にたい。草花の様に生きたいとは言わないが」 
 世の中に完全に入ってそうして穏やかに暮らしたいという意味の言葉であろうか、こうした言葉も存在しちえる。
「だが平和な中でな」
「普通の人としてですか」
「暮らしていきたい」
 良太にもこう述べた。
「悪事も犯さず人にこれといって迷惑もかけずな」
「そのうえで」
「暮らしていきたい」
「普通の人としてですか」
「何もしない出来ない癖にふんぞり返って生きるなぞだ」
 そうした人生はというと。
「願い下げだ」
「また実例を見た様なお言葉ですね」
「叔父だ」
「貴方のですか」
「知っている人のな」
「その人が、ですか」
「働かず奥さんの世話になって家で偉そうなことばかり行って遂に三行半を突き付けられたが」
 つまり離婚されて逃げられたというのだ。
「そうして教会で住み込みで修行をさせてもらったが」
「キリスト教の」
「そうなったが」
「それでもですか」
「教えなぞ備わらずだ」
 キリスト教のそれのというのだ。
「カトリックだったがそのカトリックの教会組織の悪口ばかり言う」
「そうした人になりましたか」
「それでいて仕事なぞだ」
「教会のそれもですか」
「碌にせず何も出来ず教理もまともに学ばず」
 そうしてというのだ。
「それで自分が一番偉いという様にだ」
「ふんぞり返っていたと」
「尊大にな、しかも人の家に上がり込んで大飯を喰らってくれた」
「それはまさか」
「その人の家だった」
 英雄は良太に不機嫌な顔で答えた。
「その人の家で知り合いの祖母も同居していたが」
「そのお祖母さんがですか」
「こいつも屑でだ」
 自分の祖母だが忌々し気に言い切った。
「そしてだ」
「その叔父さんを甘やかしてですか」
「そして家に寄り付いてだ」
「大飯を、ですか」
「喰らって風呂に入って朝飯も山みたいに喰らって屑から金を貰って帰る」
「そうした人でしたか」
「しかもそれで生活費が足りずサラ金に手を出してな」
 そうもしてというのだ。
「遂に家賃も払えなくなり家を追い出され」
「そして今は」
「また教会の世話になったが性根は変わらずな」
「カトリックの悪口を言い続け」
「そして祖母も家から追い出されて精神病院で死んだ」
 実はくたばったと言いそうになったが英雄はそれは何とか止めた。
「家の犬を保健所に送れ世話が嫌だと喚いて遂に家族全員が切れてだ」
「それまで何がありましたか、遂にとは」
「その屑を甘やかし
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ