暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第252話「闇が示す光」
[7/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
私すら、今まで気づかなかった……!」

 絶句する皆の代わりに、優奈が言葉を紡ぐ。
 どうしてここにいるのか、どうしてイリスの“闇”を止められたのか。
 その答えを。





「―――貴女も……貴女も()()()だったのね……()()()()!!」

「………その通りよ。もう一人の優輝君……いえ、優奈ちゃん」

 そう。イリスの前に現れたのは、なのはの母親である桃子だった。

「なんで……桃子さんは、一般人だったはずじゃあ……」

「簡単な事よ……!なのはと奏に宿っていたミエラとルフィナ同様、イリスも同じように人として転生を繰り返していたのよ!」

 本来、桃子は普通の一般人だ。
 しかし、なのはと奏のように、イリスが宿っていた。
 そのため、同じイリスの“闇”を止めたのだ。
 当然、優奈の言葉を聞いて、全員が桃子も警戒する。
 ……だが。

「は、はは……あはははははははははははははははははははははははははは!!」

 その警戒を打ち消すように、イリスが笑う。
 まるでおかしなものを見たかのように、攻撃の手すら止めて笑っていた。

「何が出てきたかと思えば!!まさか、あの時打ち砕かれた私の“領域”の欠片ですか!!まるで絞りカスのような貴女が、今更出てきて何の用ですか!?先程の行動を見るに、同じ私でありながら敵対したようですけど?!」

「…………」

 嘲笑うイリスに、桃子は何も返さない。

「桃子!」

 そこへ、別の人物が……桃子の夫である、士郎がやって来た。
 避難場所である幽世から、ここまで走って来たのだろう。かなり息を切らしていた。

「……今までありがとう。士郎さん。……安心して。貴方の妻は、きっちり無事に返しますから」

「えっ……!?」

 そういうや否や、桃子は分裂した。
 片方は、気絶した状態の普通の桃子となり、士郎に抱き留められた。
 もう片方は、姿こそ桃子だが、その体は淡く透けていた。

「私は、数多の“可能性”見てきました。彼女達のように、決して諦めない光の“可能性”もあれば、それこそ闇でありながらも“可能性”示す存在も……」

「だから、何だというのです?先程私の攻撃を打ち消した時点で、既に限界のはずですよ。現に、ただでさえ残りカスのような“領域”が、消え去ろうとしています」

 体が透けているのは、“領域”が限界な証だ。
 それは、桃子に宿っていた方のイリスも承知のようだった。

「どんな存在であろうと、“可能性”を示す事が出来る。……例え、私のように“闇の性質”であろうと……!!」

「何を……っ、まさか!?」

「なればこそ、今示しましょう!数多の“可能性”の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ