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おっちょこちょいのかよちゃん
59 親分との再会
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 平和を司る世界の本部。そこはフローレンスとイマヌエルが常駐している。その集会所部分に多くの人がいた。
「全ての人間を呼び寄せているのだから、面積を広げた方がいいな」
 イマヌエルは集会所を拡大した。拡大とはいえ、相手には窮屈感を覚えさせない為に広く見えるよう錯覚させるだけである。石松達もいた。その場には様々な人種が集まっている。
(一体、全ての者をかき集めて何を呼び掛けるというのだ?)
 石松はそう思いながら集会所の場にいた。
「皆様。お集まりいただきましてありがとうございます。本日皆様にお集まりして頂きましたのは大事な事でございます」
「今、この世界は別の世界の人間に狙われている。それに対抗する為にとはなんだが、この世界の人間を『前の世』からさらに増員させた。平和を司る地でありながら戦うなどありえんかもしれないが、これも戦争を正義とする者に侵食されないようにする為にはやむを得ない。皆で協力して戦うように求む」
(そうか、その為に次郎長親分を召喚したのか!!)
 石松は理由が分かった。だが、親分を利用されたという思いはなく、再会させてくれた事に寧ろ感謝していた。
「では、皆様、団結しましょう。ここの世と我々が嘗ておりました世の平和を願って!!」
 平和を司る異世界の全ての人々は団結を誓い合った。集会が終わると皆は帰る。だが、一人の女性がフローレンスとイマヌエルに泣きながら話している。
「あの奥方は何者であろうか?」
「はて、西洋の人間だったようだが」
 石松と小政は女性の元に行ってみた。
「フローレンス、イマヌエル」
「あら、何か?」
「この奥方は何故に泣いておられる?」
「ああ、こちらの方は嘗てフランスという国の貴族の娘でありましたのですが、この方の母が戦争を正義とします世界の人間になってしまいましたという事なのです」
「私は、母上を敵に回す事になりました。どうすればよろしいのか・・・」
 その女性はただそう言って泣くのみだった。
「奥方。我々もできる限りの協力をする。お主の母上をこの世界に引き抜こうではないか!」
「だが、それはできないのだよ。戦争を正義とする世界と平和を正義とする世界は相容れないものだから、向こうの人間をこっちの人間として変えさせる事はできないのだよ。だから、不本意ながらも戦うしかない」
「そうであるか・・・。お主、名は何と申す」
「テレーズと申します。母は生前、縁起でもない発言をなされて国民の反感を買ったという事で処刑されました。前にその母上にお会いしたのですが、その憎しみが増大していき、向こうの世界の人間となってしまったのです」
「それは辛い事であろうな・・・。我々も常に協力致す」
「はい、ありがとうございます」

 石松達は本部を出て歩く。ところがその時、女性が走り
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