第二章
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「それでもね」
「民俗学もですね」
「好きで大学時代からよく学んでいるよ」
「それで、です」
「キジムナーのことをだね」
「聞きたくてです」
それでというのだ。
「お邪魔しました」
「それなら」
叔父は甥の話をここまで聞いて述べた。
「茶の間に行こうか」
「そこで、ですね」
「お茶とお菓子を口にしながら」
くつろいでというのだ。
「話をしてくれるかな」
「それでは」
与那嶺もそれならと答えた、そうしてだった。
彼は寺の中の茶の間で叔父の話を聞くことにした、そこでだった。
叔父は自分が出した茶を飲み沖縄のサトウキビから作った菓子を食べつつ甥の話を聞いた。そのうえでこう言った。
「そういえばどうしてだろうな」
「キジムナーが蛸を嫌いである理由は」
「そのことは知っていたが」
それでもという返事だった。
「私も知らないな」
「何故嫌いかということは」
「うん、どうもな」
「そうですか」
「私は知らなくても」
それでもとだ、叔父は自分の前に座る甥に話した。二人共親戚同士であるのでつろいで座って話している。
「それでも本人さん達ならね」
「キジムナー自身ならですか」
「知ってるよ」
「そうですか」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「ここは彼等に聞いてみたらどうかな」
「直接ですか」
「そうしたらどうかな」
こう甥に言うのだった。
「そうしたらどうかな」
「そうですか」
「うん、キジムナーの居場所は知ってるね」
「家はガジュマルの木でしたね」
「そこに住んでいるからね」
だからだというのだ。
「ここはね」
「ガジュマルの木の方にですね」
「行って聞けばいいよ」
キジムナー達にというのだ。
「そうすればいいよ」
「それなら」
「それで聞くからには」
叔父はさらに話した。
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