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問題提起
第二章

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 するとだった、そのキャンペーンにより。
「よし、勢いが戻ったな」
「与党や保守勢力への攻撃材料としていいな」
「これは使えるぞ」
「いい攻撃材料だ」
「これからもこの件で与党や保守勢力を攻撃していくか」
「新聞でも雑誌でもテレビでもな」
「このまま攻めていくぞ」
 神社の参拝のことを問題と言ってというのだ。
「こうしたやり方もあるな」
「マルクス主義を言うだけでないな」
「これまで言ってなかったことを問題として言えばいいんだ」
「これでこれからもやっていくか」
「他のことでも何かないか」
「与党や保守勢力への攻撃材料はないか」
 彼等はその材料を探しだした、それでだった。
 教科書検定でもだ、彼等は言い出した。
「これも使えるな」
「ああ、戦前を賛美しだしたとな」
「これも使えるな」
「これで政府を攻撃するか」
「まだ不確かな情報だが」
「これも使えるぞ」
 社内で秘かにこう話してだ、今度は。
 教科書検定でキャンペーンを行った、しかし。
 実際はこの件は誤報であった、だが彼等はそれを一切気にしなかった。
「誤報だった様だがな」
「このまま言わなくしたらいい」
「問題は政府への攻撃だ」
「それに使えればいい」
「誤報なぞ大した問題ではない」
「そうだ、我々の勢力回復と拡大が問題だ」
 それこそがというのだ。
「与党や保守勢力を攻撃することだ」
「革新勢力がどう復権し拡大するかだ」
「それこそが大事だ」
「誤報なぞ問題ではない」
「問題は相手をどう攻撃するかだ」
「攻撃出来そうな材料があればだ」
 それならというのだ。
「そこからどう攻撃するかだ」
「問題を作ることだ」
「それが問題だ」
 問題はそこだというのだ、誤報が問題ではなく自分達の敵を攻撃する材料を見付けてそれをどうアレンジして攻撃材料にすることが問題だというのだ。
「だからだ」
「教科書の件はこれで終わりだ」
「もう言わなくていい」
「ある大学教授は公開質問状を出してきたがな」
「無視すればいい」
「こちらは何百万部もの新聞とテレビがある」
「嘘を言ってもゴリ押し出来る」
 そうしたことも可能だというのだ。
「それをやっていけばいい」
「問題は作れ」
「何でもない様なことでも問題にしてしまえ」
「その材料をこれからも探せ」
「そして与党や保守勢力を攻撃していくんだ」
「我々の勢力回復と拡大の為に」
 社内でこう話してだった、神社の参拝問題も言い出し。
 教科書は言わなくなったが今度はだった。
「戦場に娼婦を連れて行っていたか」
「ああ、慰安所だな」
「戦争中そんなのあったな」
「これも使えるな」
「ああ、そうだな」
「しかもな」
 ここで危惧する声が出た。
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