第5楽章〜鋼の腕の伴奏者〜
第40節「はじまりの歌」
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「ガングニールに、適合だと……ッ!」
「うわああああ……ッ! こんなところで……ッ!」
驚くマリア。
予想外の事態、そして復活を遂げた脅威に、ウェルは慌てて逃げようと走り出し、階段から転げ落ちる。
「逃がすかよッ!」
飛びかかる翔。
その目の前で、ウェルは左手を床に付けた。
「こんなところで……、終わる、ものかあ……ッ!」
床につけた左手からの命令を受け、床に大きな穴が開く。
「ドォォクタァァァァッ!」
「あ…………」
追いかけようとするツェルト。
しかし、その目の前でマリアがふらつく。
気付けば彼は、迷わずマリアの身体を支えていた。
「マリィ、大丈夫かッ!?」
「ええ……」
「ウェル博士ッ!」
エレベーターの方からは、弦十郎と緒川が向かってくる。
「ええい、邪魔するなッ!」
ウェルは背後から組み付き、右腕を抑える翔に、肥大化した左腕で肘打ちをぶつける。
「ぐッ!?」
「ニヒッ!」
一瞬怯んだ隙を突き、翔を振り払ったウェルは床に開いた穴に姿を消す。
ウェルが飛び降りた瞬間、穴は閉じ、元通りの床へと戻っていった。
「ぬぅッ!」
「響さん、そのシンフォギアはッ!?」
緒川からの疑問に、響は疑いなく答える。
「マリアさんのガングニールが、私の歌に応えてくれたんですッ!」
その直後だった。
フロンティアが轟音と共に大きく揺れる。
「なに……ッ!?」
「ぬ……ッ!?」
「これは……ッ!?」
本部から藤尭、友里、了子が解析結果を伝えてくる。
『重力場の異変を検出ッ!』
『フロンティア、上昇しつつ移動を開始ッ!』
『急いで何とかしないと、私達も巻き込まれるわよッ!』
「急げったって、どうすれば──」
翔が漏らした言葉に、ツェルトに支えられたマリアが応える。
「今のウェルは……左腕をフロンティアと繋げることで、意のままに制御できる……。フロンティアの動力は、ネフィリムの心臓……それを停止させれば、ウェルの暴挙も止められる……」
「そんな事が……ッ!」
ドゴォッ!!
突然の轟音に振り向けば、弦十郎の拳がウェルの消えた床を割っていた。
「──叔父さんッ!」
「ウェル博士の追跡は、俺たちに任せろッ! だからお前達は──」
「ネフィリムの心臓を、止めるッ!」
「行けるのか?」
「生弓矢なら、ほら」
そう言って翔は、その手に握っていた生弓矢のコンバーターを見せる。
先程、ウェルに組み付いた時にちゃっかり外していたのだ。
「まったく、手際の良い……。行くぞッ!」
「はいッ!」
弦十郎と緒川は、割れた床へと飛び降りていく。
「マリィ……俺も行ってくる」
「ツェルト
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