暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界で、それでも生きる罪《アマゾン》を背負う
俺の義妹/わたしのおにいちゃん
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「すぅ...すぅ...」
「はぁー......なのは、起きろ」

「んにゃ...ちひろおにいちゃん?」

養子として迎え入れられた"高町''千翼は現在、1つの悩みを抱えていた。
それが、たった今傍らで寝ていた少女。最近になってできた千翼の妹、高町なのはだ。
この高町家に来てはや3週間が経ったが、千翼は高町家の家族と交流し仲を深める......などということはせず、むしろ改良されたネオアマゾンズレジスターでさえ抑えきれない自身の強い食欲(ほんのう)から高町家の人間を守る為に必要以上の干渉を避けていた。
士郎や恭弥の男性陣は意図的に避けているのを知ってか知らずか、気を使って過干渉はしてこない。特に長兄の恭弥は、行動に未だ謎の多い千翼に警戒心を抱いてか、会っても挨拶程度しか交わさない。

しかし、女性陣はそうも行かず、普段何してるのとか、今日は元気だったとか、部屋に行ってもいいか等何かにつけてこちらを気にかけて来る。無論、知らないとはいえ人間として扱ってくれるのは嬉しかったし、桃子には感謝している。が、食人衝動を抑えるのに精一杯な今の千翼に取っては、毒にもなっているのだ。美由希に関しては、千翼をマスコットか何かだとでも思っているのか、ことある事に抱き寄せようとしてくるのだから油断ならない。

特に義妹のなのは、高町家の中でも人一倍千翼に干渉してくる。それはもう、刷り込みされた雛の様に。千翼は、現状をもっと良く知るために時折自分の足で、資料で、マスメディアで情報収集しているのだがなのははそれを真似するかのように、同じことをしようとしたり後について行こうとする。

今日も、いつの間にか千翼の部屋(本人はリビングのソファーで良かったのだが、特に桃子と美由希に大反対された。)に夜這いでもするかのように入り込み、添い寝してくるのだ。最初の頃は、過去のトラウマと発作が起こることに恐れて、強く突き放していたが、なのははそれでもめげず干渉してくるのだから。千翼が根負けしてしまい、今では口だけにとどまっている。

「ったく...何時も言ってるけど、勝手に入るなよ」
「にゃはは...ごめんなさーい」

「分かったら早く出ていってよ」
「え〜」
「え〜、じゃない。いっつもいっつも迷惑なんだよ、あまり関わらないでくれ」

「...おにいちゃんはわたしがきらいなの?」

「い、いや、嫌い嫌いじゃないの話じゃなくて...」

口だけにとどめていると言っても、出来るだけ突き放したい千翼が少し強めに言うと。最近、受け入れられてきたと思っていたなのはが涙目になり悲しそうな顔をするので少しだけ狼狽えると

『なのはー!!千翼くーん!!ご飯だから降りてきなさ〜い!!』

「は、はい!今行きます桃子さん」
「ほら先に行ってろなのは」


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