暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルな世界で、それでも生きる罪《アマゾン》を背負う
目覚め
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死闘
(
それ
)
は、互いの確固たる
殺意
(
けつい
)
がぶつかり合っていた。
異形が、異形を殴りつけ、引き裂き、喰らいつき、抉り抜く。その度に夥しい液体が辺りに飛び散る、その一撃一撃は余りにも残酷で、惨たらしく、凄惨で、猟奇的で、獰猛で、恐ろしい。
ソレは、二体の異形が、蒼き異形を殺す為命を削りあう、常人の理解の範疇を越えたモノだ。 他の誰にも理解されない。しかして、その三体の異形にこそその死闘には意味があった。
紅き異形は、己が産んだ業を己が手で終わらせる為に引き裂く。
緑の異形は、繰り返される終わらない悲劇の連鎖を終わらせるために濃密な殺気を纏う。
蒼き異形は、後悔と絶望の中自らが存在してはいけいないと受け入れ、それでも生きるのだと咆哮する。
初めは溶原性細胞の持ち主として、その高い能力で2体の異形を相手に互角に立ち回っていたが、経験と技量の差、年季の違い、数的不利によって徐々に押されていき遂には緑の異形が放った飛び蹴りによって、膨大な液体を撒き散らして地に伏せる。
「...終わりだ」
紅の異形が放った言葉と共に蒼き異形は、満身創痍ながらも立ち上がり、両者は互いにバックル部のドライバーを操作する
?Violent slash?
?AMAZON_SLASH?
そんな不釣り合いな電子音と共に両者の腕の刃状のヒレが肥大化する。そして、その時は訪れた。
互いに雄叫びをあげて、肥大化したヒレを構えて走り出すその命を───確実に削り取るため
『千翼オオオオオオオオオオオオオオォォォォォォオオオオオオーーーーーッッ!!!!!!!!』
『あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ア゛ア゛あ゛あ゛ア゛ァ゛ぁ゛あ゛ア゛ア゛ァ゛!!!!!!』
蒼き異形の放った刃が空を切り裂き、紅き異形の放った刃がその喉元を引き裂く。蒼き異形────千翼の意識は、そこで途絶えた...
全身を打つ冷たさ、そして飢餓感。それが千翼の意識が覚醒した瞬間に覚えた感覚だった。
「.........っ、ここ...は...??」
目を開けて見ると、そこは、千翼が命を落とした《《はずの》》ふれあい動物パーク跡地...ではなく、雨の降りしきる街並みだった。
何故ここに、あの二人は何処へ、何故生きているのか、そんな混乱の中、自身を襲う飢餓感を堪え、ふらつきながらも立ち上がる。─────そこで、違和感に気付いた。
目線の高さが妙に低い。それに先程短く発した言葉も、今思えばどことなく高いように
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