暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第251話「可能性の“愛”」
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悉く切り裂き、相殺する。
 一撃一撃を全力で振るい、椿達が攻撃するための壁となる。

「ッッ……!」

 そんな緋雪に、優輝は一瞬で肉薄する。
 当然だ。“闇”を操っている所で、優輝が動けない訳ではないのだから。
 しかし、緋雪は“闇”の対処のため咄嗟に動けない。

「させない!!」

 そこへ、葵が突貫して割り込む。
 レイピアを突き出し、優輝を守る“闇”に穴をあけようとする。

「ッ!!」

 さらに奏も斬りかかる。
 “極導神域”がなくなった今、この二人による攻撃を、優輝は受け流しきれない。
 そのために“闇”を防御に使っていた。

「『とにかく“闇”を削ぎなさい!!少しでも“闇”を減らせるのなら、それだけ私や司が浄化する可能性が上がるわ!』」

 椿の伝心と共に、神力の矢が優輝目掛けて襲い掛かる。
 同時に司の魔力弾も襲い掛かり、僅かに“闇”を削る。

「ふっ!」

 僅かに、ほんの僅かに隙を見出し、緋雪が斬撃を飛ばす。
 
「ちっ……!」

「ぐっ……!?」

「っ……!」

 だが、その斬撃は同じく放った“闇”の斬撃に相殺された。
 それだけでなく、“闇”を炸裂させた衝撃波で、葵と奏も吹き飛ばされる。

「なっ……!?」

 体勢を立て直す暇もない。
 攻撃が飛ぶのではなく、()()する。
 そのため、避ける事も出来ずに葵と奏は再び吹き飛ばされた。

「(避けきれな―――)」

 それは緋雪や椿、司も変わらない。
 常に動き回れば直撃はしないが、長続きしない。
 二人と同じように、吹き飛ばされる。

「っ……!」

 辛うじて防御や転移封じの魔法は続けている。
 だが、反撃に移る前に優輝は次の行動を起こしていた。

「(一か所に……!?まずい!)」

 椿が気が付いた時には、もう遅かった。
 何度も吹き飛ばされている内に、全員が一か所に集められていた。
 さらに、“闇”でドーム状に囲まれ、その場から逃げられなくなる。

「ッ―――!」

 そこへ、今までで一番規模の大きい“闇”の奔流が襲い掛かる。
 咄嗟の反撃では、緋雪や司でも凌げない程の、一撃が。

「(しまっ……!?)」

「(間に合わない……!?)」

 椿も、葵も、司も、奏も、その一瞬で悟る。
 これは防げないと。敗北してしまう、と。

「ぁあああああああああああああああああっ!!!」

 ……しかし、緋雪だけは違った。
 “闇”の奔流に対し立ち向かい、真正面から受け止める。

「ぁ、ぐっ、ぐぐぐ………!!」

 大地に足をめり込ませ、全神経を集中させて耐える。
 だが、少しでも気を抜けば……否、後少しでもすれば耐え
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