第三章
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「ニャオン」
「ミャウン」
「三毛の子達はどっちも雌で赤い首輪の子はマドカ、白い首輪の子はハルカよ」
「クウッ」
「ニャ〜〜ン」
「本当に皆に名前があるんですね」
「それで新しくこの子達がね」
新しく来た五匹も紹介した。
「親子なの」
「凄く仲よさそうですね」
「もう前からいる子達ともすっかり仲良くなったのよ」
「そうなんですね」
「勿論この子達にも名前があってね」
綾香は息子の友達に彼らの名前も話した。
「黒い子は雌でチカ、白い子は雄でミコト、頭と肩が黒い白の子は雌でユカリ、背中が黒い子は雄でシンイチよ」
「ニャンニャン」
「ニャン」
「ナ〜〜ン」
「ミャ〜〜ン」
四匹共鳴いて綾香の傍にいる、そして綾香は母親の名前も話した。
「この娘はロネよ」
「ニャ〜〜ン」
ロネも鳴いて綾香の傍にいる、息子の友人はロアも見て話しった。
「本当にどの子にも名前付けたんですね」
「それで公平にね」
「可愛がっているんですね」
「そうしているつもりよ」
「そうなんですね」
「人も猫も命があるわね」
綾香は彼にこうも言った。
「そうでしょ」
「はい、確かに」
「牧場の牛や馬にもね」
自分達の生きる糧である彼等もというのだ。
「牛や馬はお肉や皮にもなるけれど」
「それでもですか」
「命だから大事にしていかないとね」
食べたりする対象でもというのだ。
「駄目と思いながらね」
「育てているんですね」
「そうしているわ、命は大事なものだから」
「猫も大事にしてですか」
「一匹一匹ね、それで育てているのよ」
「そうなんですね」
「私達はね」
こう彼に話した、そしてロア達に餌をやりブラッシングもしたが。
後日息子の友人は息子に学校でこう言った。
「お前の母ちゃん凄い人だな」
「そうか？」
「ああ、あんなこと言えてな」
そしてというのだ。
「やれる人なんてそうそういないよ」
「そうなんだな」
「ああ、凄いこと教えてもらったよ」
彼に澄んだ目で話した、それでだった。
彼もまた命を大事に考える様になった、そして綾香はというと。
牧場で牛や馬達を育てつつ猫達もそうしていった、ロアも彼女の子供達も他の猫達そして綾香達と親しくなってだった。
いつも元気に暮らしていた、綾香はその彼等を見て優しい笑顔になった。そうして全ての猫達を大事にしていたが。
息子はロアと彼女の子猫達を見て母に言った。
「猫も子供を大事にするんだね」
「そうよ、生きているからね」
「人間と同じなんだね」
「ええ、そのことはわかっていてね」
「だから五匹全部引き取ったんだ」
「保健所も五匹全部引き取って欲しいって言ってたしね」
それが引き取る条件だったのだ。
「それでよ」
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