第一章
[2]次話
五匹揃って来て
榊原綾香はその話を聞いてすぐに夫の陽一に言った。
「じゃあね」
「今からだな」
「連絡するわ、保健所に」
「今日までか」
夫は難しい顔で言った、見れば年齢は四十五位だ。背は百九十ありかなり逞しい身体つきをしている。顔は岩の様である。
「急がないといけないな」
「ええ、だからね」
それでとだ、彼はまた言った。
「今すぐに連絡をするわ」
「ああ、急げ」
夫は妻に言った、見れば妻の年齢は三十位だ。茶色の髪の毛をウェーブにさせていて少し吊り目で眉も目に添って上を向いている。胸はかなり大きい。服はピンクのセーターの赤い膝までのスカートといったものだ。
「それでな」
「連絡してね」
「今から行くな」
「保健所にね」
こう言ってだった、綾香はすぐに連絡を入れた。そしてだった。
保健所に行くとこう言われた。
「危なかったですよ」
「そうなんですか」
「あと五分で」
「殺処分ですか」
「そうなっていました」
保健所の人は綾香に話した。
「そうなっていました」
「そうでしたか」
「それで、ですね」
「はい、五匹共です」
「引き取ってくれるんですね」
「そうさせてもらいます」
「それが引き取ってもらう条件でしたが」
保健所の人はここでだった。
四匹の子猫を見た、見れば。
白猫と黒猫、頭と肩に黒い模様がある白猫に背中が黒い白猫である。その子猫達を見つつ綾香に言うのだ。
「母猫もいまして」
「その子もですね」
「引き取って下さい、そして」
「大事にですね」
「育てて下さい、命ですから」
それだけにというのだ。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「ただ、貴女はここに何回か来られていますね」
「猫ちゃんを七匹引き取らせてもらいました」
「そうですね」
「それで、です」
綾香は自分から言った。
「猫ちゃん達をです」
「そうしてくれますか」
「幸いうちはそれだけの余裕がありまして」
猫達を飼えるというのだ。
「ですから」
「だからですか」
「はい、引き取らせてもらいます」
こう言ってだ、そうしてだった。
猫達は引き取られた、顔が八つ割れに白くなっていて腹も足の先も白い黒猫、母親のその猫も家に来た。そうしてだった。
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