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【完結】RE: ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第5章 神話世界のアルマゲドン
第25話 堕天使にラブソングを
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かべた見知らぬ男性が、眼前に立ち、じっとこちらを観察していた。
 黒髪のワルな風貌の男性である。
 年齢は、二十代程だろうか。
 外人で浴衣を着ている所為か、酷く浮いている。
 敵の可能性を考えザフィーラは、密かに警戒する。
 馴れ馴れしく話しかけてくる男性に不信感を抱きつつ、主は、肯定の返事をした。


「やっぱりか。いやあ、面影があるからな、母親そっくりだぜ」


 思いがけない言葉に瞠目する。
 ちらりと主を見やると、彼女も、驚きに目を開いていた。
まあ、最初からコイツの正体は想像がついていたが。



「おっと、自己紹介がまだだったな。俺は、アザゼル。堕天使の総督をやっている。
 お前の両親とも知り合いだった」


 その瞬間、殺気が辺り一面を覆いつくす。
 主の勘気を悟ったザフィーラも、臨戦態勢をとった。


「おっと、そんなに殺気立たないでくれ」


 と、たしなめた後。


「すまなかった」


 頭を下げてきた。
 急な展開にまたしても瞠目する。
 はやての方も、何をいっていいかわからないようだ。


「いきなり、謝罪されても、わからないよな。いまから、理由を説明するよ」


 そういって、『理由』とやらを説明してくる。
 曰く、天使陣営を追われたはやての両親をかくまっていた。
 曰く、自分の力不足で、堕天使陣営から出奔させてしまった。
 曰く、彼らが亡くなり、残念だ。
 などなど。


「―――というわけなんだ、本当にすまなかった」


 真剣な表情で、ひとしきり説明し終わると、改めて頭を下げた。
 アザゼルの言う『理由』とやらは、はやてから聞いた話と、大筋は同じだ。
 彼は、両親を亡くした少女に心底同情しているようだった。
 黙って聞く体勢をとったはやてを見て、彼はなおも続ける。


 嘘をつくときには、事実の中に嘘を混ぜればいいとよく言う。
 アザゼルの説明は、まさにその通りだった。
 彼の話すはやての両親の姿は、彼女から伝え聞く話と合致していた。
 はやての両親が、市井に混じることを希望していた話もあったが。
 強硬派を抑えるために許可することができず、すまないと謝ってきた。


 何も知らなければ、その言葉を鵜呑みにしていたかもしれない。
 それほどまでに、迫真の演技だった。
 両親の日記、コカビエルからの話を知らなければ、本当に信じていたかもしれない。
 真相を話したことを、コカビエルはアザゼルに伝えていなかったのだろう。
 だからこそ、『不幸にもはぐれ悪魔に両親を殺害された少女』に対して、アザゼルは、同情を装っているのだ。


「……そう。両親の話を聞けてよかったよ―――ああ、夕飯の支度
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