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喫茶店の犬達
第二章

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 茶色と白のコーギー犬のギンと茶色の長い毛のチワワのシルバー、どちらも雄である彼等を引き取ってだった。
 家で育てる様になった、ギンは十一歳でシルバーは二歳と年齢に開きはあった。だがどちらの子も大人しく優しい性格で。
 家族、美里の夫も息子達も二匹を可愛がった、いつもブラッシングをしてご飯をあげて散歩にも連れて行った。
 その中でだ、美里は実家の父である石木昭に話した。ロマンスグレーのオールバックの髪の毛がトレードマークである。その父に店にお客さんがいない時に言ったその話はというと。
「お前の家のワンちゃん達をか」
「ええ、お店に連れて来ていいかしら」
 こう父に提案したのだ。
「私がここにいる間お家には誰もいなくてね」
「ワンちゃん達を見られないからか」
「うちの人はお昼仕事だから」
 家にいないというのだ。
「子供は三人共学校だし」
「だからか」
「そう、ギンとシルバー見る子いないから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「お店に連れて来てか」
「傍で見たいの、あとお店の番犬とかマスコットにもなるし」 
 このことも期待出来るからだというのだ。
「いいでしょ」
「それもそうだな、じゃあな」
「ええ、それじゃあね」
「その子達お前が店に来る時連れて来てくれ」
「そうさせてもらうわね」
 こう話してだった。
 美里は自分がパートに出ている時、休日は違ったが平日に店に出る時は常にだった。二匹を店に連れて行った。すると。
 店の客達は二匹を見て笑顔で言った。
「いい子達だな」
「可愛いな」
「愛嬌があって愛想もよくて」
「大人しくて優しい性格でな」
「ワン」
「アン」
 ギンとシルバーは客達の笑顔に愛想よい感じで鳴いて応える、そしてだった。
 その二匹を見てだ、石木も娘に言った。
「この子達が来てな」
「お客さんの評判もいいしね」
「新しいお客さんも来る様になってな」
「お店の売り上げもよくなったわね」
「あの子達が来る前の倍位にな」
「新しい常連さんも出来たし」
「いいこと尽くめだよ」
 こう娘に話した、店の営業が終わった後売り上げを勘定しつつ言う。
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