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レーヴァティン
第百五十九話 美酒その一

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                第百五十九話  美酒
 英雄はこの時酒を飲んでいた、その酒は米から造るこの浮島のものではなく。
 葡萄から造る西の浮島のものだった、だが。
 その酒を飲み彼は言った。
「美味い」
「そうですか」
「この浮島で造った葡萄の酒もな」
 これもとだ、英雄は紅葉に話した。
「いい」
「そうですか」
「これからはだ」 
「この浮島においても」
「葡萄の酒を多く造ってだ」
 そしてというのだ。
「それを糧とする者を増やしてな」
「そこからですね」
「豊かにする」
「わかったですがや」
 紅葉は英雄に名古屋の訛りも交えて応えた。
「それでは」
「それとだが」
「それと、とは」
「こうしたものもな」
 英雄は今度は肴を見た、見ればそこには。
 チーズやソーセージ、クラッカー等がある。そういったものにも目をやってそうして話すのだった。
「多く造っていく」
「西の浮島にある様なものを」
「多くな、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ここからもな」
「豊かになりますね」
「この勢力はな、そしてだ」
「今以上にですね」
「豊かになり」
 そしてというのだ。
「そこからだ」
「国力も増してですね」
「兵も強くする」
「今以上に装備をよくして」
「強くする、人口が増えるのは後だが」 
 やがてはとだ、英雄は紅葉にさらに話した。
「しかしだ」
「それでもですね」
「人口が増えるとな」
 豊かになるその中でというのだ。生活がよくなればそれだけ養える人口が増えるという考えからの言葉だ。
「それによってだ」
「兵も増える」
「そうなる、だがそれはだ」
「先のことですね」
「人口は増えてもな」
「その人が働き戦える様になるのは先ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「このことはだ」
「先ですね」
「十五年はな、医学も発展させていくが」
「そして乳幼児の寿命も伸ばす」
「子供が死なずそして成人してもあらゆる病気を治せるなら」
 そうなればというのだ。
「人口は増える」
「そうなりますね」
「だからだ、医学も発展させてな」
「人口を増やす」
「この世界では治る病気が治ればな」
 そうなればとだ、英雄はこの世界のことも述べた。この世界では寿命が来れば復活の術でも蘇らないがその寿命は変わるのだ。病気を治してもである。
「寿命も変わる」
「そうした世界なので」
「多くの者に長く生きてもらう」
「そうしていきますね、しかし」
「そうだ、人口は確実に国力につながるだ」
 人口が多ければ多いだけ国力に直結する、このことは事実である。
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