暴走する愛
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らは可奈美の動きにも目を離さないまま、アカメに命じた。
「案内しなさい。マスターのもとに」
「……どうして?」
由乃の口から、無意識にその言葉が出てきた。
「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして?」
由乃は、幸輝の肩を掴み、揺さぶる。
「どうしてユッキーは私を受け入れてくれないの? こんなにユッキーが好きなのに?」
「わ、訳わからないよ、我妻さん……!」
両手両足を椅子に縛り付け、まるで王のように大広間の最奥部に座らせている由乃。彼をこのまま、ずっとお世話しながら、この城で永遠の時を過ごそうとしていたのに、肝心の幸輝は一切迎合してくれない。
幸輝は涙目になりながら言った。
「どうして我妻さんは僕にそんなに構うの? 僕、大して君と関わっていないのに……」
「忘れちゃったの? ユッキー、私のことをお嫁さんにしてくれるって言ったじゃない。ね? だから、当然でしょ?」
「分からないよ! それに、なんか我妻さん、目が本当に怖い! 止めてよ! 放して!」
「どうしてなの……そうか……きっとユッキーは穢されちゃったんだ……他の誰かに……心も……体も……!」
「我妻さん?」
由乃は、静かに立ち上がる。玉座の幸輝は、ただ口を震わせながらこちらを見上げている。
その時。
「おーい! 天野!」
幸輝の苗字を呼ぶ声がした。由乃は即座に顔を強張らせ、ギギギと音が鳴りそうな速度で振り返る。
見れば、同じ中学の制服を着た生徒が二人も広間に来ていた。
どうでもいい女子の名前など、憶えていない。銀髪の子が、短髪の子の後ろに着いてきている。それ以上の情報は必要なかった。
「天野さん……こっちの部屋にはいないでしょうか……」
「わかんねー。……でも、チノは教室にいればいいのに。安全なんだろ?」
「分かりません。教室にあの怪物たちは入ってこないというだけですけど、それに確証なんてありません。それに、マヤさんだけ外にいるのは危険です」
「嬉しいねー。……あ! なあ、あれって我妻じゃね?」
こちらのことを知っているのか。由乃は血走った眼で二人の来訪者を見下ろす。
同じクラスにいた気がする。それ以上の情報は必要なかった。
「おい! 我妻! 無事か? 教室なら、今は安全みたいだから、戻ろうぜ! あと、天野もいないみたいなんだけど……」
だが、それ以上マヤと呼ばれた奴の言葉は耳に入ってこなかった。由乃は、幸輝に背を向けたまま、問いかけた。
「ねえ、モノクマ」
『なんだい?』
由乃の呼びかけに、背後から小さな気配がする。この白黒の監視
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