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ボロディンJr奮戦記〜ある銀河の戦いの記録〜
第50話 第四四九〇編成部隊
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面の航路図が投影されると、ファイフェルが俺をチラッと見たので、軽く頷いてやる。

「正式には二月一日を持って編成されることになる第四四九〇編成部隊は、艦艇約二四〇〇隻、兵員約二八万を規模とし、宇宙艦隊司令部より今後二週間内に機動集団としての部隊編制と戦闘序列の決定を行うようにとの命令を受けております」

 部隊編制は文字通り宇宙艦隊司令部が、ビュコック爺様の指揮下に入れる為に掻き集めた幾つかの独立部隊や戦隊・小戦隊を、機動集団→独立部隊→戦隊→隊→分隊と各規模に整列させることだ。辺境警備の哨戒隊は別として、基本的には戦隊までが同一艦種で編成される。宇宙艦隊司令部から手渡されたそれぞれの部隊は規模も戦力も大抵はぐちゃぐちゃなので切った貼ったして、司令官が戦力として動かしやすいようにしなければならない。
 戦闘序列は部隊編制が終わった段階で行われる隷下部隊の隷属関係を明確にすることだ。部隊指揮官が戦死した場合、次は誰が指揮権を引き継ぐかなどの取り決めも行われる。
 いずれにしても司令部の戦術指揮能力と人事管理能力が問われる仕事で、ここで下手を打つと部隊としての能力を十全に発揮することができない。

 そんな面倒なことは司令部ではなくどこかの部署に一括外注すればいいという発想もないわけではない。だが仮に司令部以外で編制された部隊が功績を上げた場合の功績について、あるいは敗北した時の責任の所在が不明確になる。功績処理において不確定要素が増えるのは、軍という組織の健全性を保つ上で非常に危険なことだ。だからこそ司令官には司令部の人事権がある。勿論統合作戦本部の人事部が介入することもあるが、司令官が能力において信頼できる幕僚を集め、入念に部隊編制を行えるようにしているのだ。

「部隊編制と戦闘序列が宇宙艦隊司令部の承認を受け次第、編成部隊は「第四四高速機動集団」となります。そして戦力化後一ヶ月を目途に、現在編制中の四つの独立部隊と共にエル・ファシル星系奪回に赴くことが指示されております。その中で当部隊は星系奪回作戦の基幹部隊として、他の独立部隊の最上位となります」

 これはキャゼルヌ宅で予想していた通りの結果だ。四つの独立部隊と言えば約二五〇〇隻。これに地上軍や後方支援部隊が加わるから、ビュコックの爺様は『半個艦隊』を率いることになる。帝国軍の増派がない限り、約二倍の戦力比だ。原作末期の同盟では考えられないほどまともな作戦で、勝算は大いにあるといえる。

「現在、当司令部には情報・後方の参謀は配備されておりませんが、宇宙艦隊司令部より人員の充足は早急に手配すると打診されております。地上戦部隊に関しては陸戦総監部より装甲機動歩兵二個師団と大気圏内空中戦隊四個を派遣可能できると連絡を受けております。後方支援本部も工兵・通信・管制・医療の分野である
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