暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
情報共有
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
スケさん? 忘れもの……」

 そこで、可奈美は絶句した。
 彼が肩を貸しているのは、松菜ハルト。すでに意識がない彼は、右手をコウスケの肩にかけて、だらんとただれている。

「ハルトさん! ……!」

 駆け寄り、ハルトを助け起こそうとした可奈美は、手に張り付いた違和感に両手を見下ろす。
 べったりと赤く染まった手が、可奈美を見返していた。

「……うっ……うっ……」

 沈黙の中。まどかのうめき声だけが、可奈美の耳に届いていた。



「止血はしたよ」

 ハルトをベッドに寝かせた響がそう告げた。

「命には別状ないと思う。でも、本当に危なかった」
「そうなんだ……」

 可奈美は安心して肩をなでおろす。
 なんとかショックを受けたまどかを家まで送り届けた可奈美は、そのままカウンターに着いた。
その動きの中、ハルトの椅子に腰かけるコウスケは、じっと可奈美の腕を凝視していた。

「なあ、可奈美ちゃん」
「な、なに?」
「ちょっと、脱いでみろ」

 耳が壊れたか。可奈美は耳をもみほぐした。

「ごめん、もう一回」
「だから、脱げって」
「……響ちゃん。救急車のついでに警察呼ぶけどいいよね?」
「いや、そういうことじゃないよ! コウスケさんも、ちゃんと言葉があるんですから!」

 響の言葉で、何とか中断した。



 事情を話したタカヒロに閉店の許可をもらい、可奈美はカウンター席でコウスケ、響と向かい合った。
 可奈美は長そでをめくる。そこには、不自然な刻印がしっかりと刻まれていた。

「……マジか〜」

 カウンター席の近くのテーブル席のコウスケは、項垂れながら背もたれに寄りかかる。

「ハルトがマスターってのにも驚いたけど、まさかお前までマスターなのかよ……」
「こっちも、まさかコウスケさんがマスターで、響ちゃんがサーヴァントだなんて想像もしてなかったよ」
「ああ。お前、まだサーヴァントはいないのか?」
「うん。でも、いらないと思うんだよね。召喚されたら、令呪を使って自由に生きてもらおうかなって考えてる」
「ほーん」
「それで、サーヴァントにはクラスがあるんでしょ? 響ちゃんは?」
「私はランサーだよ」
「ランサー? えっと……槍?」
「うん」
「響はぶん殴ってばっかだけどな」

 コウスケが横やりを入れた。
 響はそれを無視して、

「それで、可奈美ちゃんがマスターだったら、多分知っておくべきだと思うんだよね」
「……ハルトさんに、あの怪我を負わせたサーヴァント?」

 響は頷いた。

「クラスはアサシン。とんでもない剣の使い手だよ」
「剣……」

 剣というワードを聞いて、可奈美の腹の奥がうずいた。
 それを知っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ