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スケさん? 忘れもの……」
そこで、可奈美は絶句した。
彼が肩を貸しているのは、松菜ハルト。すでに意識がない彼は、右手をコウスケの肩にかけて、だらんとただれている。
「ハルトさん! ……!」
駆け寄り、ハルトを助け起こそうとした可奈美は、手に張り付いた違和感に両手を見下ろす。
べったりと赤く染まった手が、可奈美を見返していた。
「……うっ……うっ……」
沈黙の中。まどかのうめき声だけが、可奈美の耳に届いていた。
「止血はしたよ」
ハルトをベッドに寝かせた響がそう告げた。
「命には別状ないと思う。でも、本当に危なかった」
「そうなんだ……」
可奈美は安心して肩をなでおろす。
なんとかショックを受けたまどかを家まで送り届けた可奈美は、そのままカウンターに着いた。
その動きの中、ハルトの椅子に腰かけるコウスケは、じっと可奈美の腕を凝視していた。
「なあ、可奈美ちゃん」
「な、なに?」
「ちょっと、脱いでみろ」
耳が壊れたか。可奈美は耳をもみほぐした。
「ごめん、もう一回」
「だから、脱げって」
「……響ちゃん。救急車のついでに警察呼ぶけどいいよね?」
「いや、そういうことじゃないよ! コウスケさんも、ちゃんと言葉があるんですから!」
響の言葉で、何とか中断した。
事情を話したタカヒロに閉店の許可をもらい、可奈美はカウンター席でコウスケ、響と向かい合った。
可奈美は長そでをめくる。そこには、不自然な刻印がしっかりと刻まれていた。
「……マジか〜」
カウンター席の近くのテーブル席のコウスケは、項垂れながら背もたれに寄りかかる。
「ハルトがマスターってのにも驚いたけど、まさかお前までマスターなのかよ……」
「こっちも、まさかコウスケさんがマスターで、響ちゃんがサーヴァントだなんて想像もしてなかったよ」
「ああ。お前、まだサーヴァントはいないのか?」
「うん。でも、いらないと思うんだよね。召喚されたら、令呪を使って自由に生きてもらおうかなって考えてる」
「ほーん」
「それで、サーヴァントにはクラスがあるんでしょ? 響ちゃんは?」
「私はランサーだよ」
「ランサー? えっと……槍?」
「うん」
「響はぶん殴ってばっかだけどな」
コウスケが横やりを入れた。
響はそれを無視して、
「それで、可奈美ちゃんがマスターだったら、多分知っておくべきだと思うんだよね」
「……ハルトさんに、あの怪我を負わせたサーヴァント?」
響は頷いた。
「クラスはアサシン。とんでもない剣の使い手だよ」
「剣……」
剣というワードを聞いて、可奈美の腹の奥がうずいた。
それを知っ
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