第1部
アッサラーム〜イシス
砂漠での冒険
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った。私は彼女の方に駆け寄り、手にした水袋を差し出した。
「シーラ、大丈夫? もし足らなければ私の水飲んでいいよ」
「あ、ありがとうミオちん。でも大丈夫だから」
顔を上げた彼女は、笑顔を見せながらも、どこか無理をしている感じがした。
「……どうしたの、シーラ。疲れちゃった? それとも何か悩み事?」
「ううん、何でもないよ♪ さっ、行こっ☆」
そう明るく振る舞ってはいるが、一度違和感を覚えると、気になって仕方がない。私は他の人には聞こえないほどの小さな声でシーラに話しかけた。
「あのさ、私じゃ頼りないかもしれないけど、困ってたり辛いことがあったらさ、誰かに愚痴を言うだけでも少しは楽になると思うよ?」
私の言葉に、シーラは目を丸くした。そしてすぐにはにかんだ顔を見せた。
「ありがとう、ミオちん。ホントに今は大丈夫だからさ。何かいいたくなったら真っ先にミオちんに話すね☆」
「う、うん! 約束だからね!」
ずるいなあ。そんなかわいらしい笑顔を見せられたら、何も言えなくなっちゃうよ。
そんなことを思いながら、ひたすら歩くこと三時間。途中魔物に何度か遭遇したものの、順調に目的地へ着くことができたのである。
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