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俺様勇者と武闘家日記
第1部
アッサラーム〜イシス
砂漠での冒険
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「ちっ、火炎ムカデか」
 苦々しげにユウリが呟く。火炎ムカデと呼ばれた魔物は、幸いにもルカの方ではなくこちらを向いた。そして、その小さな口を大きく開けたかと思うと、人の顔ほどの大きさの炎を吐き出してきた!
『うわぁぁぁっ!!??』
 ユウリを除く全員が、悲鳴を上げてその場から飛び退く。この炎、相当広範囲にわたって攻撃してくるので、回避だけするだけで精一杯だ。
 頭を狙って蹴りあげようか? でも、その隙に炎を吐かれたらおしまいだ。そもそも見るからに防御力のありそうな皮膚をしているけれど、打撃が効くのだろうか。
 そう考えあぐねていると、脇から勢いよく鎖が飛んできた。鎖に着いた分銅は見事火炎ムカデの口に命中し、ダメージを負わせた。
「よっしゃ、当たった!」
 放ったのはナギだった。アッサラームで新調したチェーンクロスを手に、勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
 だが、それだけで当然倒れるわけもなく、火炎ムカデは体を大きく捻ったかと思うと、体を回転させ、そのままこっちに突進してきた。
 再びあわてて飛び退く私とナギ。少し離れてシーラが小石を投げつけてはいるが、全て外れている。
「ラリホー!」
 魔物から距離を取ったユウリが呪文を唱える。確か敵を眠らせる効果があるはずだ。火炎ムカデは呪文を受けたあと一瞬動きを止め、次第に眠りに……つかない。魔物は平気な顔?をして、攻撃対象に選んだナギに向かって突進した。
「くそっ!」
 ナギは反射的に飛び退く。ムカデは急停止し軌道を変え、ダンゴムシのように丸くなりながら、再び彼の方に向かって転がっていった。
「あーもう、しつけぇ!!」
 回避しながら再びチェーンクロスを振り下ろす。だが、魔物は全く怯むことなく再び軌道を変え、次は私の方へ向かってきた。
 ユウリがこっちに近づこうとするが、新たに現れたネコとコウモリを合体させたような魔物(あとでユウリに聞いたらキャットフライというらしい)が数匹現れ、応戦せざるを得ない状況になってしまった。
 私は向かってくるムカデの足元を狙い、タイミングを見計らって脇に避けつつ足払いをお見舞いした。バランスを崩したムカデは一回バウンドしたあと、明後日の方向に突進しようとして柔らかい砂地に引っ掛かり、勢いよく倒れ込んだ。
 魔物は横たわりながらも、もぞもぞと動いている。体勢を整えている間に私はダッシュして、横たわる魔物の体に拳を叩き込んだ。続けざまにナギが再びチェーンクロスで攻撃する。だが、どの攻撃も致命傷には至らなかった。
「どうしたら倒せるの?」
 焦る私。それは、表情から見てナギも同じ思いだった。
 などと考えているうちに、体勢を整え
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