二つの黒
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。放たれた黒い光線たちが、アサシン、ランサー、そしてそれを見ていたウィザードとビーストを襲う。
『ディフェンド プリーズ』
ウィザードは、自身とビーストの前に風の防御壁を作り上げる。風によって霧散された光線が周囲を抉った。
サーヴァントたちへ向かった光線を、響は殴り上げて曲げ、アサシンは当たり前のように真二つにした。
無数の光線たちの攻撃は、この場にいる者たちのみならず、周囲にも拡散していく。
噴水を粉々に破壊し、木々をなぎ倒し、公園のあちらこちらから悲鳴を上げさせた。
「やめろ!」
『フレイム プリーズ』
風から火になったウィザードは、スライディングで接近、ソードガンを駆使してキャスターに斬りかかる。
だが、キャスターはそれを指二本で受け止めた。
「やっぱり通じない……! うっ!」
腹を貫く、彼女の拳。仮面の下で吐きながら、その体が吹き飛ぶ。
響に受け止められ、意識が朦朧とする。
「大丈夫ですか?」
「ああ……助かったよ、響ちゃん……」
「うん。ねえ、ハルトさんも聖杯戦争を止めたいんだよね? だったら、二人を止めるの手伝って……」
「手伝いたいのは山々だけど、あの二人が暴れると、街が壊れる……! 正直、少し乱暴な手を使っても止む無しな気がするんだけど」
「でも、話し合えば……」
「話が通じる状況じゃないでしょ! ってうわ!」
響に突き飛ばされ、ウィザードと響がいた場所をアサシンの刃が舐める。
そのまま体を回転させながらそれを見送ったアサシンが舌打ちしている。
「おい、お前オレのサーヴァントと言いあっているのはいいけどよ」
続いて、ビーストがダイスサーベルでキャスターと戦っている。だが、彼もウィザード同様、キャスターには歯が立たないでいた。
「どっちにしろ今はこいつらをどうするかが問題だろ? 手伝ってくれよ!」
その声に応えたのは、ウィザードでも響でもなく。
「葬る!」
アサシンの声だった。
黒い光線、妖刀村雨、ガングニール、ダイスサーベル、そしてウィザーソードガン。全く共通点のない凶器が、平和だった公園を破壊していった。
フレイムのスラッシュストライクがアサシンに防がれたと思えば、アサシンごと黒い光線が飲み込もうとし、再びキャスターに狙いを定めたアサシンが動けば響が割り込み彼女と火花を散らす。好機らしきキャスターが二人まとめて葬ろうとすると、ビーストがその手にダイスサーベルを当てる。
「……これが、聖杯戦争……」
ウィザードが小声でつぶやいた。
やがて、ウィザードの隣にアサシンが舞い立つ。
「っ!」
彼女の村雨とウィザードのソードガンが同時に閃く。
「お前を……葬る!」
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