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水の国の王は転生者
第六十二話 未知との接触
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た。

「凄い……ボルトアクションなのに、あんなに早く!」

 アニエスがジャックの早業を見て呟いた。

「呆けている暇は無いぞ、撃ちまくれ!」

「了解!」

 撃っても撃っても、敵の勢いは止まらない。
 暫くすると、ビットから敵の第三波の情報が送られてきた。

「敵、第三波きます」

「次はどんなのだぁ? 裸の女なら大歓迎なんだが……」

 等とボヤキながらヒューゴが、壁から顔を出し、新手の敵を見定めようとした。

「……犬?」

 新手はコヨーテの群れだった。
 コヨーテは、先ほどのバイソンやオーク鬼とは違い俊敏な動きで壁へと迫る。

「……各隊員、銃剣を付けさせろ、白兵戦もあるぞ」

「了解、その様に通達します」

 その時、通信用ウォーター・ビットが新たな情報を描き始めた。

「ビットから新たな情報が!」

「第四波か?」

 アニエスは、新鮮な情報の描かれた紙をデヴィットに渡した。

「なんと書かれているんですか? 援軍が近いんですか?

「……後ろに敵!?」

「えっ!?」

「後ろから何か来るぞ!」

 誰かが警告を発したと同時に、後方から5メイルの巨大なクーガーが壁を乗り越え襲ってきた。

「うわぁぁぁ!」

「後ろから!? ぎゃああああ!」

 クーガーの爪は、人間など紙切れの様に切り裂き、民兵達に多数の死傷者を出した。
 巨大クーガーのその姿は、犬歯が異常に発達していて、差し詰め『サーベルクーガー』というべきだった。

「くそっ、迂回された!」

 壁の内側に乱入したサーベルクーガーは、その巨体に似合わず俊敏な動きで暴れまわった。

『シャァァァァァ!』

「コイツを何とかしろぉーーー!」

「クソッ、撃て撃てぇー!

「待てっ! 撃つな、同士討ちになる!!」

 碌な訓練の受けていない民兵は大混乱に陥った。

「負傷者を下がらせるんだ!」

「はい!」

 アニエスが、デヴィットの命で負傷者の所へ向かおうとすると、黒い巨体が目に前に振ってきた。








                      ☆        ☆        ☆






 目の前に振ってきたサーベルクーガーの目を見て、アニエスは足がすくんでしまった。

『グルル……』

「あ、ああ……」

 サーベルクーガーから放たれる未知の殺気に、今まで訓練してきた経験がそして闘志が一気に吹き飛んだ。
 怯えるアニエスを見て、サーベルクーガーは口を歪ませた。それはまるでアニエスの臆病を笑っているようだった。

「……クッ!」

 自分が笑われたことを感じ取り、アニエスはギ
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