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水の国の王は転生者
第六十二話 未知との接触
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してくる。

「……来い!」

 アニエスは後装ライフルを構え、デヴィットの命令を待った。

 木々の間にあった茂みから、ひょっこりと毛むくじゃらの顔が現れ、こちらを見ていた

「……ゴクリ」

 誰かが生唾を飲み込む音が聞こえた。

「……」

「……」

 一瞬の沈黙。そして・・・・・・

「ヴオオォォォォ!!」

 毛むくじゃらの顔が吼えると、木々の向こう側から一斉に咆哮が響き、3メイル程のバイソンの群れが捜索隊の篭もる壁へと突進してきた。

「う、牛!?」

「かまわん。撃てぇぇぇぇ〜〜〜!」

 パパパパパパン!

 と銃声が響き、先頭集団のバイソン達が血を噴き出し倒れた。だが『肉の壁』は止まらず捜索隊へと迫る。

「続けて撃て!」

 待機していた別の民兵達が発砲し、バイソン達は血にまみれた。

 一方のアニエスは、最新鋭の後装ライフルでバイソンを一頭づつ狙い撃った。

「敵が多すぎる!」

 弱音を吐くアニエスに、同僚のジャックが声をかけた。

「弱音を吐く暇があるなら、敵を撃て。銃剣を突き立てろ」

「は、はい!」

 優しさの欠片も無いジャックに、アニエスは逆に奮起したようで、腰に差した38口径リボルバーで応戦した。

 コマンド隊屈指の銃の使い手のジャックは、『場違いな工芸品』のブローニングBARを的確にバイソンの頭部に撃ち込み戦果を上げていた。
 一方のお調子者のヒューゴは、M1ガーランドを恐怖に歪んだ顔で乱射し一応の戦果を上げていた。

「あっ」

 『ピーン』という音と共にM1ガーランドのクリップが飛び出た。
 M1ガーランドは弾丸を全て撃ちつくすと、クリップが飛び出る構造になっている。
 ヒューゴは素早く装填しようとしたが、手が滑って弾装を落としてしまった。

「援護します!」

 アニエスが38口径リボルバーで援護をした。

「助かった!」

 ヒューゴは落とした弾装を拾い手早く装填し戦線に加わった。アニエスらコマンド隊は隊員同士、相互に援護する事が板についていた。

「弾はたっぷり有るから、気にせず撃ちまくれ!」

『了解!』

 先鋒だったバイソンに混じり、別の獣や亜人も混じり始めた。
 ブタのような顔のオーク鬼がぶよぶよの腹を揺らし突進してきた。

「何なんだコイツら!」

 ヒューゴが悲鳴を上げる。

「オーク鬼もコッチに居たんだな」

「ジャックさん、のん気な事を言わないで下さい」

「そうでもない。オーク鬼程度なら、何度もやり合っているから大して脅威ではない」

 ジャックは弾切れのBARを地面に置き、愛用のウィンチェスターM70で次々とオーク鬼の頭を撃ち抜い
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