第8章:拓かれる可能性
第248話「それでも、届かない」
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彼女が動いた一連の流れが連携だったと……!?……いえ、違う。これは、“可能性”を手繰り寄せた!)」
咄嗟に、イリスは魔法陣を消し去ろうと“闇”を放つ。
だが、紙一重の差で先に魔法陣から極光が放たれた。
「(破片で複数の魔法陣を作りあげ、その魔法陣でさらに大きな魔法陣を組み立てた。……そして、呼応するのは私の理力だけじゃない。貴女の力もよ、イリス!)」
最初に破片をイリスの足元に散らせたのはこのためだ。
相手の理力さえ利用し、イリスへと渾身の一撃を放った。
「甘いですよ!!」
しかし、それでも。
「私の“闇”は、その程度で祓えません!!」
イリスには、届かない。
「ッ……!?」
イリスの攻撃を打ち破った極光は、そのまま障壁さえも破る。
短時間で組んだとはいえ、複数の魔法陣を介した一撃は強力だ。
それを、イリスは真正面から受け止めた。
「ッッ、ぐ……!」
膨大な“闇”がイリスから放出される。
極光すら呑み込まんとするその“闇”は、攻防一体の鎧だ。
攻撃を受け止める事で無防備になるはずの体は、その“闇”に守られていた。
「ふっ……ッ!」
そして、そのまま極光を完全に受け止めてしまった。
瘴気のような煙も出ている事から、ノーダメージではないのだろう。
だが、大ダメージでもない。
「……はぁっ!!」
最後に、“闇”を周囲に解き放つ。
先程の極光を受け止める程の“闇”が周囲に放たれるのだ。
それだけで、回避不可能な強力な一撃となる。
「人から天へ、天から神へ。我が祈りは無限に続き、夢幻に届く……!」
しかし、それを祈梨は予想していた。
「(第二波……!?)」
「想いを束ね、祈りを束ねる!撃ち貫け!!」
―――“夢幻に届け、超克の祈り”
仕掛けておいた障壁で隙を作り出し、それで“溜め”の時間を得た。
そして、優奈の一撃に意識を向けた所で、祈梨の攻撃準備を整えたのだ。
祈りと理力が束ねられ、周囲の空間を歪ませる程の極光が放たれた。
「これが……神へ至った天巫女の力です……!」
“闇”を解き放った衝撃波は非常に強力だ。
祈梨が放った一撃と拮抗さえして見せた。
だが、祈梨も全力だ。威力は軽減されたものの、ソレを打ち破る。
「ッ……舐めるな……!!」
……そして、イリスはそれをも上回る。
否、ギリギリではあったのだろう。それでも、火事場の馬鹿力が働いた。
“闇”による障壁が多重展開され、さらに相殺のための砲撃も放たれた。
「これすら……耐えますか……!」
障壁は全て破ったが、それでも威力はほぼ殺さ
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