第8章:拓かれる可能性
第248話「それでも、届かない」
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の戦い方もある。
それは二人だとしても変わりない。
「『陣形を変えるわ!私へのフォローはやめて、とにかくイリスの隙を狙って!』」
「『はい!』」
連携を放棄し、お互いに隙を作り出し、それを突くように動く。
疎かになってしまう部分を補い合うタイプの連携ではなく、自己完結型の戦力同士を組み合わせるタイプの連携だ。
「(……動きを変えてきましたか)」
攻撃の手応えが減った事で、動きに変化が出た事をイリスも悟る。
直後、砂塵の中から一つの煌めきが飛んでくる。
優奈が放った理力の矢だ。
「はぁっ!!」
矢を“闇”で弾き、後方に“闇”の閃光を放ち、障壁も張る。
同時に、後方に祈梨が放った極光が、目の前には優奈が迫って来た。
連続では使えない転移を用いて、無理矢理間合いを詰めてきたのだ。
「ぐっ……!?」
「まだ軽いですね」
だが、足元から生えた“闇”の触手に剣が弾かれる。
そして、別の触手が棘のように優奈に襲い掛かった。
咄嗟に優奈は創造魔法で展開した理力の針を触手に突き刺し、相殺する。
「ッ……!」
「なるほど、個々に動いた方が厄介ですね」
優奈に気を取られている所に、両サイドから極光の斬撃が迫る。
それを障壁で防ぐと、頭上から祈梨が極光を纏った槍を振り下ろした。
こちらも単発の転移で間合いを詰めたようだ。
「くっ……堅い……!」
「変に型に嵌った動きでは、本領を発揮できない……確かに、良い判断です」
それでも、通じない。
優輝の攻撃は“闇”の触手と障壁に阻まれ、祈梨の一撃も“闇”の盾で防がれた。
「ッッ!」
二人が同時に飛び退く。
直後に、“闇”がイリスの周囲を圧し潰した。
「ですが、それは私も同じですよ?」
「ちっ……!」
何度も自身を圧し潰そうとする“闇”を避けながら、優奈は舌打ちする。
イリスの“闇”はその気になれば予備動作なく出現する。
予めどこを攻撃するか予測しなければ防御すら厳しくなる程だ。
常に動き回っても避けきれる訳ではない。
「(反撃のチャンスが少ない……!)」
圧し潰す攻撃だけではなく、爆発するもの、棘となって襲い来るものもある。
それらを避けつつ反撃するのはかなり難しい。
普通の戦闘であれば、攻撃の対処をさせる事で他の動きを制限すると言った戦法が取れるが、残念ながら神界の存在にそれは通じない。
“性質”の力を行使するのは、神界の者にとって呼吸となんら変わらない。
意識せずとも扱う事すら可能なのだ。
「(だったら、その“可能性”を手繰り寄せる!)」
近接戦を仕掛けても無意味だと悟った優奈は、意識を切り替え
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