第六十八話 戴冠
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レイ様……、貴女はきっと自らの役目を全うするでしょう。そして…………」
他の人には聞こえないようにアイシス女王は小さく囁く。
それは私に衝撃をもたらすには小声でも十分すぎる内容だった。
今日一日アイシス女王には大変お世話になったので、私達はお礼をしたかったのだけれどアイシス女王はそれを丁重に断った。
ただその代わりに私達は必ず世界を救うと約束してグランバニアに帰還した。
皆が希望に湧き立ってそれぞれ報告に向かう中私は一人自室に籠り机に突っ伏す。
どうしてもアイシス女王の言葉が頭から離れず、納得させたはずの不安が止まらない。
『ミレイ様……、貴女はきっと自らの役目を全うするでしょう。そして…………貴女は暗い運命を辿り、沈んだままそこで『終わる』でしょう』
女王の言ってることが何をどう指しているのか、私にはわからない。
ただ女王の予言の内容が示している事は一つだけわかる。
私は役目を果たすーーつまり『影響』を消す事には成功するだろう。
けれどそれと同時に私は悲惨な末路を遂げるだろう、それだけわかれば十分だった。
「ーーーーーーーーーー!」
言葉にならない叫びを上げる。
私に困難しか与えない世界を、そして運命をここまで憎悪した事はなかった。
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