夜の奇襲
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「葬る!」
信じられないスピード。黒髪の女性は一気にこちらへ詰め寄り、ウィザードへ斬りかかる。
「っ!」
ウィザードはソードガンで、その太刀を防いだ。銀の刃が、日本刀を受け止める。
彼女は身を翻し、さらなる斬撃で攻め立てる。
日本刀を使う敵。可奈美という比較対象と比べてみると、どちらの技量が上か、優劣などつけられなかった。
だが、彼女が可奈美よりも明らかに優れている点が一つ。
「喉元を狙ってくる……っ!」
黒髪の女性は、ソードガンとの打ち合いではなく、ウィザードの急所へ刃を走らせていた。ウィザードとしての肉体強化がなければ、すでにこの世にはいられない猛攻に、ウィザードは冷や汗を流す。
「重い……っ!」
華奢な女性の腕力としては信じられない力量に、ウィザードは慄く。
可奈美のそれとは比べ物にならない、攻撃性と容赦のなさ。ファントム以上の脅威に、ウィザードのソードガンを握る力が強まる。
『ディフェンド プリーズ』
ウィザードが盾とした魔法陣を容易く両断し、黒髪の女性は更に詰め寄る。
「またか!」
『ディフェンド プリーズ』
再び発生する魔法陣。今度は防御としてではなく、黒髪の女性を突き飛ばすためのものとしての使用だった。
腕でガードした彼女は、そのまま地面を転がる。
「……やるな」
「まだだ!」
すさかずウィザードは、ルビーの指輪をサファイアに取り換える。起動したウィザードライバーへ、サファイアの指輪を投げるように読ませる。
『ウォーター プリーズ』
発生した青い魔法陣を突っ切り、ウィザードの姿が火から水へ変わっていく。
『スイ〜スイ〜スイ〜』
水のウィザードは、敵へ斬り結ぶ前に指輪を入れる。
『リキッド プリーズ』
水のウィザードの特性たる、魔力の多さ。それが可能にした体の液状化により、彼女の刃が体を貫通した。
「……?」
黒髪の女性は、少なからず驚愕を露にした。その隙を見逃さず、彼女の肩に蹴りを入れる。
怯んだところへ、さらにウィザードは指輪を入れる。
『ライト プリーズ』
ウィザードの手から、眩い光が放たれる。それは、暗闇に慣れた黒髪の女性の視力を麻痺させた。
「っ……!」
『ウォーター スラッシュストライク』
目を奪われている彼女へ、ウィザードは青い斬撃を与える。
だが、敵もさるもの引っ?くもの。視界を潰したというのに、その日本刀でウィザードの斬撃を防いだ。
「すごっ……!」
「造作もない」
「造作もないの基準が絶対におかしい……!」
目が慣れてきたのだろう。黒髪の女性は、すぐにこちらを睨めるまで回復した。
「お前……サーヴァン
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ