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Fate/WizarDragonknight
夜の奇襲
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トではなくマスターが戦うのか」

 赤く、冷たい眼差しで黒髪の女性が語る。
 彼女の言葉を理解する前に、黒髪の女性が突進してきた。卓越した動きは、ウィザードの反撃を掻い潜り、その刃を仮面へ迫らせる。

「もう止めてください!」

 間に割って入る、黄と白の鋼鉄。
 ガントレットで刃を防ぎ、そのまま黒髪の女性の腹へ掌底を食らわせる。

「っ!」

 反対側のウィザードにも跳ね返る衝撃。
 だが、黒髪の女性は数度地面を跳ねた後、 その反動を利用して着地。足が地面を引きずったが、ほとんど無傷のままこちらを見返した。
 響は彼女へ向き合う。

「どうして戦うんですか? 私たちは、語り合うことだってできるはずです!」
「語り合う……?」

 彼女の前髪が、赤い右目を隠す。顔に陰りがある彼女は、そのまま冷たい声で語った。

「聖杯戦争。そのサーヴァントならば、語り合う必要もない。私たちはそれぞれの願いのために戦う。それだけだ」
「違います! そもそも、私たちサーヴァントがいること自体が間違っています」

 響の言葉に、ウィザードは押し黙っていた。

「響ちゃん……それって……」
「ハルトさん……」

 響は数秒ウィザードを振り替える。彼女はしばらくウィザードを見返したあと、ゆっくりと頷いた。

「分かっていますよね? ここは、私たちがいるべき世界じゃない……! この世界は、この世界の人たちに任せるべきです!」
「……サーヴァントなのに、聖杯戦争には消極的なのか」
「私たちは、英霊でしょう? 人を傷つけるためにその力を振るったわけじゃないでしょ?」

 だが、その言葉は黒髪の女性を押し黙らせた。彼女は静かに目を落とし、自らの刀を見下ろす。
 やがて、響に向けられた彼女の深紅の眼差しは、赤特有の明るさはなく、暗い闇ばかりが広がっていた。
 
「私に、和解などというものはあり得ない。生き延びたいのなら去れ」
「去らない!」

 だが、響は諦めない。

「私は立花響ッ! 十五歳! 誕生日は九月の十三日で、血液型はO型! 身長は157p、趣味は人助けで好きなものはごはん! 彼氏いない歴は年齢と同じ! ……私はあなたのことも知りたい!」

 彼女のひたむきな声に、ウィザードは呼吸すら忘れていた。
 
「響ちゃん……?」
「私たちは、分かり合うための言葉がある! 手をつなぐことだってできる! 殺し合う理由なんてない!」
「……」

 黒髪の女性は大きく息を吐く。

「言葉があれば、分かり合えるとでも……?」
「?」
「戯言だな」

 吐き捨てた彼女は、刀を数度回転させる。

「言葉が通じる怪物が、この世には大勢いる。お前にとって、私がそうであるように」
「だとしても
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