大きな罪
過去
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姿無き犯罪者から、二度目の依頼メールが届いてから数日後のこと。私は届いた依頼について、調べものをしていた。今回の依頼は、私の過去にも関係がある。私だけじゃない。宏や里奈、そして祥という人物にも関係がある。
「それにしても、どうしてこんなことを。」
今回の内容は、こうだった。
「新井祥を探せ。」
簡潔な文面だったが、引っかかった。なぜ、姿無き犯罪者が祥のことを知っているのだろう。それが不思議だった。
「この人は、祥の何なのだろう。」
そんな疑問が浮かんだ。
「早く行かないと、遅刻する。」
急いで支度をして、家を飛び出した。自転車で登校して、時間ギリギリに教室の中に入った。
「おはよう。寝坊でもしたのか。」
「そんなところ。」
苦笑いして、そう答えた。拓真は、私が探偵みたいなことをやっていることを知らない。そのまま自分の席に着いて、担任が来るのを待った。
休み時間になり、私は宏にメールした。今回の依頼のことで、話をしておかなければならないことがあるから。これは、宏にも関係がある。探し出すだけなら簡単だけど、もう失敗しているから過去を一度振り返ってみたい。
「次は、体育か。体育祭の練習かな。」
体育祭で私は、騎馬戦と障害物に出るのだ。だが、チームワークは最悪。このクラスで大丈夫かな。そんなことを思いながら、体操着に着替えていた。
放課後になり、私と宏と一緒に仕事場に向かっていた。
「今回はどんな依頼なの。」
「それは。」
私は黙り込んだ。宏は過去のことを、覚えてないかもしれないのに。伝えるべきか、迷っていた。
「玲。」
「ごめん。着いてから話すね。」
その時は結局、話さなかった。
「わかった。」
宏はそれ以上、何も言わなかった。その後は、他愛もない会話をして目的地に着いた。
「今回のことだけど、実は宏にも関係があるの。」
「どういうこと。」
そこで私は、手帳に挟んでいた写真を出した。
「これは。」
「これは、私の家にあった写真。ここには、私と友達が写ってる。」
「僕と、どんな関係が。」
私は自分の隣に写っている少年を指さして、こう告げた。
「この男の子は、宏だよ。」
彼は驚いてw他紙の顔を見たけど、すぐに写真に視線を戻した。そして、思い出したように、話し始めた。
「この写真。そういえば、僕の家にもある。」
「やっぱり。」
「だけど、今日のこととは関係ないと思うけど。」
宏は不思議そうに、そう言ってきた。
「今回の依頼は、こっちの少年を探すこと。だけど、普通に探しても見つからなかった。」
「だから、過去を調べてみよう、ってことか。玲。」
「そういうこと。」
「じゃあ、こっちの少女にも聞いてみようよ。」
「それが。」
宏は何も知らない。その少女は、もう
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