"撃槍 ガングニール"
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いながら、彼らは肉壁となりウィザードを阻んでいた。
「さてさて。ゲートのお嬢さん」
ファントムのターゲットは、アクアのようだった。ファントムは彼女へじりじりと迫っていく。ビッグで払おうがライトで目つぶししようが、グールたちは執念のごとく壁となる。
「カカカ、カズマさああああああん! 助けて助けて助けて! 嫌よ、私まだ死にたくない!」
「アクア!」
カズマもまた、グールに囲まれて動けないでいた。
もうだめだ、と誰もが思った時。
「生きるのを諦めないでッ!」
アクアの前に立った人物が、ファントムを殴り飛ばした。
「……なんですか? 貴女は」
ファントムは苛立ったように、その人物を睨む。
アクアを守った人物____立花響は、どこかのカンフー映画のような構えをしながら、ファントムを見据えていた。
「……人を襲うの、止めてはもらえませんか?」
静かに、だけどはっきりと、響は尋ねた。彼女の声はとても落ち着いており、ラビットハウスでともに騒いだ人物とは思えなかった。
ファントムはケラケラと肩を震わせ、
「御冗談でしょう? 私たちはゲートを絶望させてファントムを増やすのが目的。人を襲うなというのは不可能です」
「私たちは、互いに話し合える! 手をつなぐことだって……」
「笑止。我々ファントムが人間ごときと? ふざけてます。邪魔をするなら、貴女もゲートとともに、絶望して死になさい!」
「……そう」
響は、どこか悲しそうな目浮かべた。やがて首から下げているペンダントを両手で握る。
そして。
響は___歌った___
『Balwisyall nescell gungnir tron』
黄色の光。それが、ファントムやアクアたち。そして、ウィザードの目を奪う。
白く伸びたマフラーがグールたちをなぎ倒し、大ジャンプして現れた響。
「あれは……?」
ウィザードは目を、そして耳を疑った。
彼女から鳴り響くメロディは、公園内で常に響き渡っていた。
その音を聞くと、だんだんそれが分かってきた。
ハイテンポのイントロ。それは、一瞬で導き出せた。
「歌……だと?」
さっきまでラフな服装だった彼女は、今や白と黄の武装をした姿となっていた。白いマフラーをたなびかせ、両手に大きなガントレットを装備し、丸いめは吊り上がっていた。
「な、なんなんですか貴女は? その姿は……この歌は……?」
「この歌もッ! この拳もッ? シンフォギアだアアアアアアアアアアアアッ?」
彼女は、そのままファントムへ殴りかかる。
___絶対に離さないこの繋いだ手は___
「私に物理攻撃など通じませんよ!」
ファントムは、またして
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