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【完結】RE: ハイスクール D×D +夜天の書(TS転生オリ主最強、アンチもあるよ?)
第4章 ???×夜天の書
第21話 TS転生オリ主最強アンチヒーローはやて
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って、抵抗する。


「そんな、僕は負けない、負けるわけない!」


―――だって、


「神様が僕にこの力をくれたんだもん!お父さんとお母さんを助けるんだもん!だからッ」


――――負けるわけにはいかない!


 歯を食いしばって、耐える。
 なけなしの力を振り絞って、押し返そうとする。
 だが、現実は非常だった。
 身を守る青白い光は、徐々に削られていく。


「いやだ、いやだよぉ!僕が負けたら、お父さんとお母さんが死んじゃう。もう会えなくなっちゃう!そんなの、いやだ。いやだよぉっ!!」


 スパークする視界の中、必死に叫ぶ。
 負けるわけにはいかないと、己を叱咤する。
 激痛に堪え、絶望的な状況でもあきらめない。
 彼女の願いはただ一つ。
 もう一度、あの幸せな日々に戻ること。


 けれども。
 たった9才の幼子が、どんなに健気に抗おうとしても。
 偶然手に入れた魔法の力に縋る様に願いを込めても。
 再び奇跡が起きることはなかった。


「うああああぁああ!!」


 徐々に崩壊していく身体。
 摩耗していく精神。
 流れる血も、流す涙も、とうに尽き果てた。
 既に、身体の感覚はなく、視界も閉ざされている。
 それでも。
 最後の最後まで、彼女は、諦めなかった。


「―――ッ!」


 ただ家族との日常が欲しかっただけの少女。
 だがしかし。
 身体のすべて、魂の一片まで、『消滅の魔力』に浸食されたことで。
 家族を案じる余裕はなくなっていく。


――――お前たちだけは、絶対に……絶対に許さない!!


 最期に、呪詛を残し、哀れな少女は、この世から消滅した。
 周囲に目撃者は皆無。
 彼女が生きた証を知るのは、相対したサーゼクスのみ――のはずだった。
 しかしながら。
 少女と同化したジュエルシードは、消える寸前になって再び奇跡を起こした。


 苦痛と憎悪に支配された彼女が最期に願ったのもの。
 奇跡を願い、奇跡は起きた。
 けれども。
 その願いは――――復讐だった。
少女が、本当に欲しかったものは、何一つ与えてくれなかったのに。


 その日、平和な家庭が、ひとつ消え去った。
 新聞記事に一家惨殺事件として、取り上げられたが。
 それだけだった。





 とある家にて。
 すやすやと昼寝をしていた幼子を、青い光が包み込んだ。
 彼女の様子を見ていた母親は、慌てて近寄るも。
 特に異常は見当たらない。


「あの光はなんなのかしらねえ。
 神器ではないようだし、悪影響もなさそうだけれど。
 ひょっとして、うちの子には、秘められた力が宿っているのかも!」

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