この素晴らしき大道芸に拍手を!
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
、アクアとカズマは、互いに顔を見合わせる。
「やった! やったわカズマさん! これで私たち、とうとうあのオンボロ下旧四万円生活から脱出できるわ!」
「これからは、テレビにジャンジャンでて、売れたら女子アナと結婚して牛丼卵付き百杯食べて、ビル千件買って自堕落な生活を送るんだ!」
「こりゃ祝杯よカズマ! 今夜は焼肉よ!」
ハイテンションになる二人。
次に鎌田は、ハルトにも声をかけてきた。
「貴方様のものも拝見いたしました。ぜひ、わたくしどもと契約を結んでいただきたい」
「え? 本当? どうしよっかな……?」
「ええ。契約金は……ぐわっ!」
その時。鎌田の手が何かに弾かれた。
彼を妨害した謎の青い影は、そのまま迷いなく、ハルトの右手に飛び込む。
「え? 何?」
カズマとアクアは二人で輪を組んで踊っているので異変に気付かない。響と鎌田だけが、その正体を二度見していた。
「お、おい! ユニコーン! 何だよ、今大事な話してるんだから後にしてくれよ!」
掌に乗った青いプラモンスター、ユニコーン。この使い魔は興奮気味に、手の上でステップを踏んでいる。
「ハルトさん……それも手品?」
「あ、響ちゃん。これは……そ、そうそう手品手品。鎌田さんもごめんなさい。なんか、タネが遅れて……」
『ヒヒーン』
「痛っ! 突くな! ……まさか、ファントム?」
いつも最悪のタイミングで訪れる、ファントムの出現。ユニコーンは首を縦に振った。
「勘弁してよ。今からビッグになれるチャンスなのに……それで? どこ?」
ユニコーンが指したのは、鎌田の方だった。
「あっちか……すみません鎌田さん。ちょっと急用で、響ちゃんに色々伝えて……」
『ヒヒーン』
突然、ユニコーンがその角で頭を指してきた。
「なんだよ?」
ユニコーンが、改めて鎌田がいる方角を……鎌田を指す。
「え? あっちにファントムがいるんだろ?」
否定。
その時、ハルトは理解した。
「……鎌田さん。まさか、あなたが……」
「仕方ありませんね」
鎌田は名刺ケースを放り捨てた。彼はそのままにやりと笑み、
その顔に、不気味な紋様が浮かび上がる。
「っ?」
「「やったやったやっ……え?」」
響も、カズマもアクアも動きを止める。
その中で、鎌田はねっとりと言った。
「仕方ありませんね。この私、ベルゼブブを見破るとは。しかし、関係ありません。皆さま全員、ここで絶望してファントムを生み出していただきましょう」
紋様はやがて実体となり、全身を変質。
そこには、コウモリと悪魔を融合させたような人型ファントムが現れていた。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ