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Fate/WizarDragonknight
加速世界の中で
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だった。



「可奈美ちゃん!」

 何がどうなっていたのかが全く分からない。
 だが、突然可奈美とダークカブトが消えたと思ったら、可奈美はうつ伏せで倒れており、見知らぬ青年も近くの岩場で横になっている。
 ハルトは可奈美を助け起こした。

「どうなっている? ダークカブトは?」

 その問いに、可奈美は言葉ではなく震える指で答えた。
 可奈美が指差したのは、今ユラユラと揺らめきながら起きた、見知らぬ青年だった。

「あの人が……ダークカブト」

 ハルトは可奈美に肩を貸しながら、ダークカブトと対峙する。彼は一歩一歩、重い足取りで可奈美を凝視しながら近づいてくる。

「お、おい! 来るな!」

 ハルトはソードガンの銃口を向ける。だが、ダークカブトは恐れることもなく歩を続ける。

「止まれって!」

 ハルトは発砲した。ダークカブトの周囲の潮だまりが爆発するが、それでも止まらない。
 ハルトはソードガンを剣にするが、
 握る手の上に、可奈美の手がかぶせられる。

「可奈美ちゃん?」
「大丈夫」

 可奈美はゆっくりとソードガンを降ろさせた。彼女はハルトから離れて、ダークカブトへ向かう。
 彼女は右手を上げて、少しだけハルトの方を向く。頷いた彼女の口元が弧を描いていた。大丈夫なのかと、ハルトは可奈美から、ダークカブトへ視線を移す。

「君は、本気かい?」

 ダークカブトの問いに、可奈美は迷いなく頷いた。

「私は、絶対に。その気持ちに間違いはないよ」
「そう……」

 二人の間で沈黙が流れる。付いていけないハルトは、ただただ見つめることしかできなかった。

『カァー!』

 だが、そんな沈黙を破る存在がいた。
 見ていられなくなったのか、コエムシがダークカブトが現れた地点から見下ろしている。

「何だ何だ? このクソみてえな茶番! おい、ダークカブト! テメエ、さっさと処刑しろよ! 命やるって言ってんだろうが!」
「ごめんね。コエムシ」
『ああ?』

 コエムシが声を荒げた。
 ダークカブトは、一度可奈美を振り返る。

「以前の僕はひよりを助けたかった。でも、僕の代わりにアイツが今は守っている。そしてここには、別のひよりを助けたい人がいる。違うひよりでも、ひよりを助けたい人がいるなら、僕にその人を倒すことなんてできない」
「ダークカブト……」
『はあ? テメエ、そのまま天道総司に負けっぱなしでいいのかよ? お前、そんなんで……』
「僕は……僕は、彼にひよりと世界を託した。そして彼女にも!」



『はあ……お前、やっぱりいらねえや』

 コエムシの声色が変わった。
 その瞬間、その妖精から、緑の光が放たれた。
 まっすぐ、可
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