第8章:拓かれる可能性
第246話「想定を上回れ」
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の援護だ。
ジュエルシードがあれば余裕はあるのだが、今は祈梨の手元にある。
向こうもかなりギリギリなので、返してもらう事も出来ない。
そのため、司の分まで椿がフォローしなければいけなかった。
「(神力は十分。注意すべきは、転移魔法。生憎、葵と奏はそれを気にしている暇はないでしょうね。……だから、戦場を俯瞰できる私が、上手く調整する)」
矢を放ち、霊術も放つ。
隙を見ては、地面から特殊な草を生やし、それで優輝の足を絡め取ろとする。
全て当たる事はなかったものの、おかげでいくらか行動を制限出来ている。
「(各個撃破されたのが問題だったようね。確かに、戦えてはいる。……防戦一方ではあるけれど。とにかく、緋雪が来るまで耐えないとね)」
攻撃し、カウンターで返される。
そのカウンターを防御した際の隙を、椿と司で潰す。
さらに司と椿で創造魔法の剣や、遠距離魔法などを相殺する。
これにより、何とか“戦い”として成り立たせていた。
未だに導王流の極致を破れないものの、耐えるだけならまだ出来た。
「ふっ……!」
「はぁっ!」
線と点が襲い来るような、奏と葵の連携。
息をつく暇もなく、攻撃を繰り出し、そのカウンターをもう片方が防ぐ。
最初に二人の挟撃が利用された時点で、挟み撃ちの形は無駄だと判断した。
そのため、今は二人で並び立つように戦っていた。
「(ただカウンターするだけならもうちょっと余裕はあったのに……!)」
「(イリスの加護が……形となって襲ってくる……!)」
カウンターを防ぎ、攻勢に出る。
その攻撃が、闇の触手で相殺されてしまう。
先程から、これが繰り返される。
さすがに導王流が適用されていないのか、攻撃を受け流される事はない。
それでも、こちらの手札が潰される形になるので、かなりギリギリになっていた。
「(かやちゃんと司ちゃんがいなければ、もう負けていた……!)」
「(これでも私はさっきよりも強くなってる。それでも、足りないなんて……!)」
葵も奏も、魔法や霊術を併用して戦っている。
だが、“闇”による触手や刃で悉く相殺されてしまっていた。
結果、レイピアや刃による直接攻撃しか届かず、それも受け流されていた。
「(優ちゃんはこれを狙ってやっている……!最も受け流しやすい攻撃だけを、敢えて残してカウンターに繋げている……!)」
「(剣を持つより、素手の方が強いなんて……!)」
今の優輝は素手で戦っている。
魔力などで保護しているとはいえ、素手で刃に触れるのは危険なはずだ。
だが、導王流はそれを無傷で受け流す事も出来る。
武器を使ってこそではなく、素手だからこそ本領を発揮できるの
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