第8章:拓かれる可能性
第246話「想定を上回れ」
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
に行った人の内、とこよと紫陽の気配が感じられないし……どうしても、人手で無茶が生じるわ」
記憶を読み取ったため、とこよ達は街の方に行ったのは知っていた。
その上で、とこよと紫陽の気配がない事に優奈は気づいていた。
二人がいれば、まだ戦力割り当てに雀の涙程度の余裕が出来たと、優奈は言う。
「帝君の姿が変わってるのと関係あるの?あの強さは……」
「いえ、今の帝は神……ソレラから与えられた力を全て失っているわ。でも、固有の“領域”を使ってあの強さを発揮しているの。……かなりの強さを誇るけど、長くは持たないわ。その間に、回復を終わらせて」
「……わかった」
余裕のないその表情に、司は気になる詳細を聞かないよう飲み込んで了承する。
「……優輝さんを正気に戻す方法は、ないの?」
「現状、戻す術はないわ。帝が司とかよりも強い浄化系の力を使ったとしても、イリスの洗脳を破れるとまでは……ね。“意志”によるマウント取りはイリスも出来るから」
「優輝君は私達の洗脳を解いたけど……」
「あれは洗脳されてからあまり時間が経っていないのと、洗脳自体が優輝のより弱いからよ。優輝の場合、かなり念入りに洗脳されたようだから」
優輝を正気に戻せない事に、司と奏、椿や葵の表情が曇る。
「だけど、それは飽くまで“私達には”って話。別のアプローチなら可能性はあるわ。……例えば、優輝本人に解かせるとか」
「優ちゃんに……?」
「……呼びかけるって事ね?」
「その通り」
呼びかける事で、本来の意識を呼び覚ます……古典的故に、可能性があった。
外部からの洗脳解除は無理でも、内部からなら出来るだろうと、優奈は踏んでいた。
「そのためにも、呼びかけるための環境が必要よ」
「……一度、倒す必要があるって訳だね?」
「そこまでとは行かなくても、ある程度動きを止める必要があるわね。……そして、その役目は貴女達が担うべきよ」
「私達……?」
優奈が視線を向けたのは、司、奏、椿、葵、そしてまだ目を覚まさない緋雪だ。
「優輝を大切に想い、愛し、また優輝も大切にしている存在。……せめて、それぐらいの存在じゃないと、声は届かないもの」
「……なるほど、ね」
いつもなら恥ずかしがったり照れたするような優奈の発言。
だが、さすがに状況が状況だ。素直じゃない椿すら素直に納得していた。
「緋雪にはシャマル辺りが伝えておいて。他はソレラ達二人の所に援護よ」
「貴女は?」
「祈梨の援護に行くわ。それと、ミエラとルフィナは貴女達と交代した後、帝の援護に向かわせるわ。……いい?言ってしまえば優輝を正気に戻せるかどうかで戦況が変わるわ。元よりそのつもりだろうけど
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ