第8章:拓かれる可能性
第246話「想定を上回れ」
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わ。どうやら、この世界の“領域”が天巫女の力に呼応して、神界の法則を押し留めているみたい。……だから、さっきまでの固有領域はあまり使わない方がいいわ」
「……そうか……」
「最優先事項は、あそこの皆を回復させる事!」
「ああ!」
優奈の転移により、司達がいる場所へ転移する。
既に葵と神夜を始め、椿や司、シャマルと言った一部のメンバーは回復していた。
大体の回復自体は済んでいるようだ。
「……貴女、いつの間に優輝から分離したの?」
「神界に残った時よ。それより……状況は?ああ、いえ、こっちで読み取るわ」
椿の質問に簡潔に答えつつ、優奈は手を椿の頭に当て、理力で記憶を読み取る。
「……あぁ、なるほど。導王流の極致でやられた訳ね。最後まで意識を保ってたのは?それと、最初に目覚めたのは?」
「最初に目覚めたのは俺だ。最後まで残ってたのは……」
「私です」
神夜とサーラが名乗りを上げ、そちらの記憶も読み取る優奈。
「……オッケー、把握したわ」
「さっき神夜と奏に聞いたのだけど……奏の本体となのはは無事なの?」
「ええ、無事よ。奏は分身で疑似的に分離しているし、なのはの意識も消される事はないわ。あの子達は、そんな事をしないもの」
「知っているんだ。あの二人を」
知った風に言う優奈に、司がそう尋ねる。
「多分、今いる誰よりも知っているわ。……まだ、答えるには早いけど」
「随分勿体ぶるね。やっぱり、優輝君と結構違うんだ」
「根幹は同じよ。でも、既に私は優輝から枝分かれした存在だもの。違うのは至極当然の事よ、司」
そんな会話をしている間にも、気絶している者がどんどん回復していく。
同時に、戦闘も激しくなっていた。
祈梨達の相手は先程と同じだが、祈梨以外は押され始めていた。
イリスによる“闇”が、他の神や優輝を強化していたのだ。
「時間との戦いね……帝、大気圏近くの神の相手をお願い。リンディ達が戦っていたみたいだけど、もう持たないわ。落ちてきているもの」
「分かった」
「無理はしないようにね」
優奈が指示を出すと共に、理力のネットを空中に設置する。
すると、そこへボロボロになった管理局員や退魔士が落ちてきた。
優奈の言う通り、大気圏外で時間を稼いでいたリンディ達が敗北したのだ。
イリスがいないとはいえ、よく持ち堪えたほうだ。
「ッ……!?なんて速さ……!?」
「今の帝なら、物理的戦闘は誰にも負けないわ」
飛び立った帝のその速度に椿が驚く。
そんな椿に、優奈はどこか誇らしげにそう言った。
「……とはいっても、一人で抑えきれるとも限らない。ここから街を見た感じ、街の方
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