カオスで騒がしい喫茶店
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あまどかちゃん」
「わ、私ですか?」
自分に来ることはないのだろうと安心していたのだろう。まどかは仰天してこちらにやってきた。
ハルトは小物状態のものを組み立てて、自分よりも高い背丈のシリンダーボックスを用意した。前方が開き、内部の空っぽの構造が露になる。
「まどかちゃん。悪いけど、ここに入ってもらえる?」
「は、はい……」
まどかは少し怖がりながら、箱に入る。あらかじめ調節しておいた台に立つことで、首だけが出る形になる。
「はいそれでは皆さん! ラビットハウスプロデュースのコラボマジックです!」
「あれ? だったら普通ココアさんかチノちゃんじゃ……」
「まあまあ。俺がここに来れたのもまどかちゃんのおかげだから、折角ということで」
「訳が分からないよ……」
キュウべえみたいな言葉を聞きながら、ハルトは箱の蓋をする。
「さあみなさん。今こちらの美少女さんは、しっかりと箱に閉じ込められました。まどかちゃん、出られる?」
ガンガンと、箱の中から音が聞こえる。
「うん。鍵とかしてあるね」
「さあ、それでは脱出撃! うっ……頭が……ん」
ハルトはわざとらしく頭を押さえる。そして、大仰に行動に移す。
「うがぁ! 私に悪魔が取り憑いた?」
おおっ、と観客は拍手をする。
いい反応だと身に感じながら、ハルトは敢えて狂ったような声を出す。
「この娘の命を生贄に、私は現界しよう!」
ハルトは手に持った剣(手品用のペラペラのもの)を箱に突き刺す。
「ひゃっはあ?」
「うぎゅっ!」
まどかが絞り出したような悲鳴を上げてくれた。
さらにハルトは、箱の前後左右から剣を突き刺し続ける。まどかの「ぐええ」という反応の後、観客へ呼びかける。
「さてさて皆さん。私の悪魔の所業ですが、果たして本当に彼女は息絶えたのでしょうか」
まどかが目を閉じて首から力を抜いてくれた。
「疑う方もいらっしゃるでしょう。その実をお店しましょう!」
実際のこの箱には、分割する仕掛けがある。縦にも三段に分かれており、横にスライドすることができる。
「はぁ!」
奇声とともにハルトは、箱を横に大きくずらした。上二つを大きく動かすと、まどかの体系ではありえない面積しか、上と下は繋がっていない。
「ひっはは! これで、この娘を生贄にした私は現界した! さあ、この世界は私のものだ!」
悪役のセリフを言いたい放題言ったところで、観客から野次が飛んでくる。
「どうすればまどかさんを助けられますか?」
青山さんがそんなことを聞いてきた。
今から言おうとした説明を代用してくれた青山さん。彼女の要望に応え、大魔王ハルトマンは、堂々と「
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