カオスで騒がしい喫茶店
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は急いで着替えて戻る。
チノが戻ってきたとき、なぜかハルトは、丸テーブルのほむらと向かい合って座っていた。
「……はあ」
険悪なことにはならなくても済みそうだった。チノはそう安心して、カウンターの定位置に付く。
「ねえ、チノちゃん……」
青山さんから逃れてきた可奈美が、少し疲れた様子でやってきた。
彼女はチノの耳に手を当て、
「ねえ。あの人、ハルトさんの友達かな?」
「知りませんよ。そもそも、ここに来てからほとんど一緒なんですから、可奈美さんが知らないなら、私も知るわけないじゃないですか」
「だよね〜」
「ねえ!」
すると、談笑していた二人組の女性の方がこちらへ来た。キラキラとした表情が明るいその少女は、空いた容器二つを差し出した。
「アイスコーヒー! お代わりください!」
「はい」
チノは、普段より使っているコーヒーメーカーを使い、カップにコーヒーを淹れていく。その様子を少女は「おお〜」と目を輝かせてみていた。
「……はい、冷たいもの。どうぞ」
「冷たいもの、どうも」
手渡したコーヒーを受け取り、少女は礼を言う。
だが彼女は席に戻らず、ぐいっとチノに顔を近づける。
「ねえ! 私、立花響! あなた、もしかして中学生?」
「はい……」
何だ、この客。そんなことを心の中で思いながら、この響という少女は続ける。
「ねえ! 名前はなんていうの?」
「香風智乃です」
「チノちゃんか……そちらは?」
「あ、私衛藤可奈美です!」
チノとは対照的に、元気な返事を返す可奈美。特に示し合わせたこともなく、ガッチリと握手を交わす。
「すごい適応力……」
そんな言葉の中、可奈美と響は互いの手を見下ろしている。
「すごい……可奈美ちゃん、握力強いね!」
「響ちゃんこそ! これ、ダンベルとかでも何キロでも持てそう!」
「いやあ……それほどでも……」
響が頭を掻く。にやりと口を歪める。
可奈美は続ける。
「ねえ! 何かスポーツとかやってるの? 球技とか」
「やってないよ。まあ、コウスケさんの手伝いで、フィールドワークとか色々歩き回っているんだけど」
「え? でも、これは色々やってないとここまでにはならないよ?」
「ええ……そうかな?」
あははと、笑い続ける響。
チノには、彼女が何か隠しているように見えて仕方がなかった。
その時、黒髪の少女、ほむらがカウンターにやってきた。
「どうかしました?」
「お会計よ」
ほむらは無表情のまま、金額を置いていく。
少し驚きながら、チノはその代金を受け取った。
「ありがとうございます」
「美味しかったわ」
「もういいんですか? ハルトさ
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